『あさが来た』1話「小さな許嫁あさとの出会い、おいど(お尻)は大丈夫?」

幕末の京都。豪商今井家の次女あさ(鈴木梨央)は、相撲が好きな女の子。
箏(こと)や裁縫が上手な姉のはつ(守殿愛生)とは正反対。
そんな姉妹には、共に両替屋の息子の許婚(いいなずけ)が決められていた。

「あさが来た」第1週1話「小さな許嫁(いいなずけ)」あらすじ

白のドレスを着た女性がさっそうと廊下をあるく
その背中は凛とした気品にあふれていた

1901年(明治34年)
今から100年以上前の東京
日の出女子大学校

その学校の壇上に女性が立つと女子生徒たちの注目をあつめる。
この女性こそが
これから始まるお話の主人公
「白岡あさ(波瑠)」です。

今日は日本初の女子の大学校の入学式。

あさは、初の女子大学生となる娘たちに
日の出女子大学校入学への祝辞をのべる。

そして、穏やかな笑顔を浮かべるとこう言った。

「こないな、ごあいさつを致しますと
なんや仰々しいおますのやけど
学問いうのは、なにも特別なものやあらしません。
ぞんぶんに学んでください。
みんなが笑って暮らせる世の中をつくるには
女性の柔らかい力が大切なんです」

あさは幕末から明治、大正という
激動の日本のなかで
炭鉱を手がけ、
銀行や生命保険会社を
つくりあげました。

そして、
この日本初の女子大学校設立のために
生涯を尽くしたしばらしい女性です。

と、言いたいところではありますが、
実はこのあさはとんでもなく
困った女の子だったのです。

1857年(安政4年)
大きな木の上で立ったあさ(鈴木梨央)は
背中に大きな凧(たこ)を背負い
楽しそうに「さくら」を
歌っていたかと思うと
「パタパタパタ」と両手をひろげて
木から飛び降りてしまう。

地面に叩きつけられたあさは
いった~いと木の下で顔をしかめるのでした。

あさは明治になる20年前
江戸時代の終わりごろ
京都随一の商家、
今井家の次女として生まれました。

あさには2つ上の姉・はつ(守殿愛生)がいました。

はつが琴(こと)の稽古にはげんでいると
外からあさの呼ぶ声がするので
はつが外を見てみると
そこには大凧を背負ったあさが
傷だらけで立っていたので
はつは大慌て。

母・梨江(寺島しのぶ)も呆れながらも
慌ててあさのもとへ駆け寄る。

しかし、
あさは母と姉をよそに
「なんでどす?」と
凧を背中につけても
空をとべないことが
どうしても納得できない様子で
泣きながら2人に問いかける。

そこへ、
「なんでどすやあらへん!」と
あさの父・忠興(升毅)が鬼の形相で
あさのもとへ詰め寄ってくる。

あさのおてんばぶりは
当時の女の子としては
考えられないことでした。

父・忠興はそんなあさに
大激怒するのですが、
当のあさというと
「なんでどすやろ?
堪忍え、お父はん」と
えへへと笑うので、
堪忍袋の緒が切れた忠興に
あさは抱えあげられて
尻を叩かれてしまうのでした。

その様子に、母と姉は大慌て
激怒する忠興をなだめようと
女子ども全員がわらわらと
もみくちゃになってしまう。

はつは琴の上手な優しい娘でしたが、
妹のあさは終始このような様子で
とんだ跳ねっ返り娘でした。

1861年(文久元年)
あさが生きた蛇を片手に振り回しながら
町のなかを闊歩(かっぽ)していると
町の男の悪がきたちも逃げてしまう。

そんな男の子たちを追いかけ回すあさは
家でも奉公人の男の子たち相手に相撲をとり
女だからと手を抜くことを許さなかった。

どんな相撲相手でもあさは
えいっ!と投げ飛ばし負け知らず。

しかし、あさが自慢げになっていると
そこへ女中のうめ(友近)が「おあさ様!」と
にらみをきかせてあさのもとへ迫ってくる。

うめに捕まったあさは大人しくすわり
うめに髪を結ってもらっている。

相撲はしてはいけないと
うめからきつく言い聞かされていた

でも、あさには納得できなかった
あさの弟・久太郎(二宮輝生)は
相撲をとっても怒られないのに
なぜ自分が相撲をとることがいけないのか。。。

久太郎は男で、あさは女
女だてらに相撲が強いということが
いけないことなのだとうめが説明しても
あさには理解できない。

あさの「なんでどす?」は口癖。

なにかあるごとに「なんでどす?」と
うめを質問ぜめにして困らせていた。

うめはそんなあさに
女だてらに相撲なんかをしていて
顔に傷でもつけてしまったら
許嫁(いいなずけ)に
嫌われてしまったらどうするのかと
あさを説教する。

なぜ自分や姉には生まれたときから
お嫁に行く先が決まっているのか
分からないことばかりだと
あさはふてくされるのでした。

京都随一の両替屋である今井家の娘たちには
幼い頃から許嫁がいました。

姉のはつは、
大阪一の老舗の両替屋山王寺屋に
妹のあさもまた
大阪の大きな両替屋である加野屋に
京都の今井家に生まれた女子は
お家のために代々
大阪の両替屋に嫁ぐことが
決まっていたのでした

両替屋とは、今でいう銀行のことです。

当時はまだ武士が上に立つ世の中でしたが
その中でも商人たちは商業や経済を発展させることで
大きな力を持つようになっていました。

あさははつと並んで琴の練習をしていると
自分たちの許嫁がどんな人なのかと気になるあさは
「大阪へお嫁になんかいきたくない」
「ずっとお姉ちゃんとここで暮らしていたい」と
駄々をこねだす。

そんなあさにはつは
「いいお嫁さんいなるのも
女の子の大切なお勤め」だと
言い聞かせるが
また、あさの「なんでどす?」が
口から出ようとするので
はつはあさの口をつまんでしまう。

相撲が駄目なのも
お嫁にいくのも
「そういうもの」
はつとあさはそういって
納得するのでした。

2人は今井家の娘として
厳しく育てられました。

礼儀作法に裁縫、茶の湯、
生け花、お琴のお稽古。

また、長男の久太郎も跡継ぎとして
厳しく学問を仕込まれました。

そんな久太郎の様子を
障子越しに聞き入るあさでしたが
今日は朝からなにやら逃げ回っていた。

忠興と久太郎が席をはずすと
あさはすかさず学問の本へと駆け寄り
興味ありげに覗きこんでいると
忠興の机の上にそろばんを見つける。

「パチパチはんや!」とあさはそろばんを手にすると
転がして遊んだり、振って鳴らせては歌ってみたり。

あさが「うさぎうさぎ」と歌っていると
障子の隙間からその様子を伺う男がいた。

あさのはしゃぐ姿を見ていたその男は
「ありゃ踊ってんのかいな?」と
不思議そうに見ていると
うっかり目があってしまう2人
恥ずかしいところを見られてしまったあさは
固まってしまう。

しかし、男はそんなあさににっこりと
優しく微笑みかけるのでした。

そこへ「新次郎!」と声をかける男性の声
すると、その声と共に忠興がやってきて
あさを見つける。

忠興は大事な商売道具のそろばんで
遊んでいたことに激怒し
あさを抱えあげ尻を叩いて
叱りつける。

その騒ぎに駆けつけた母・梨江は
こんな大事な日に
なんてことをしているのかと
慌てて2人を止める。

「これはえらいお嬢ちゃんやこと」
そんな様子を笑いながら面白そうに見つめる
「新次郎」と呼ばれたこの男は
あさの許嫁・白岡新次郎(玉木宏)でした。

今日はあさと許嫁との顔合わせの日。

あらたまってすわり直した大阪の両替屋、
加野屋の主人・白岡正吉(近藤正臣)と新次郎は
今井家を前にあいさつをする。

見苦しいところを見せてしまったことを詫びる忠興に
正吉はいずれ嫁にきてもらうのだから
最初から気取ったところを見せるよりは。。。
かえって気安いくてよろしいと言葉を選び
今井家への気遣いをみせる。

そんなかしこまった大事な席に
失態を見せてしまったあさは
恥ずかしさから忠興の後ろに隠れたまま
顔を見せようとしないでいると、
そんなあさに新次郎は
「あさちゃん、
おいど(お尻)はご無事だすか?」と
優しく微笑みながら声をかける。

「おいど(お尻)」のことを
男の人に心配されたあさは
恥ずかしくていてもたってもいられず
顔合わせの場から飛び出していってしまう。

お尻をさするあさは
「なんなん!あの失礼な人!!」と
ぷりぷりと腹を立てながら
廊下を歩いていると
向こうから姉・はつがやってくる。

はつはあさの許嫁が気になるようで
あさへ話しかけるが
あさはあんな失礼な人は大嫌いと
言い放つのでした。

あさにとっては最悪の出会いとなったようですが
はたしてこの2人はこれからどうなるのでしょうか?

「あさが来た」第1週1話「小さな許嫁(いいなずけ)」解説

今回は 「許婚」について解説していきたいと思います

あさの幼少時代は江戸時代の末期ごろです。

江戸の時代背景は、
武士から町人にいたるまで、
「男女7歳にして席を同じゅうせず」と
儒教の精神がとても強い時代でした。

あさの時代でもまだそのなごりが強く
女性が男と同様に遊んだり
男勝りなことをすることはご法度(よろしくない)と
されていました。

そのころの恋愛・結婚事情は
武家や商家でも、
家柄や財産などにおもむきをおいた、
親同士が決めた「許婚(いいなずけ)制度」が主流で、
とくに、父親の権限は強く、
父親の許可なしには結婚できない時代です。

特に、女子の場合は
生まれてすぐに嫁ぎ先を決まられていたことが多く
10歳~15歳での結婚も少なくない時代のため
この当時のあさは11歳、新次郎は22歳と
あさと新次郎の年の差は11歳ですが、
10歳以上年の差のある結婚も珍しくない時代でした。

「あさが来た」第1週1話「小さな許嫁(いいなずけ)」感想

今回は、許婚との最悪な出会いな 回でしたね。

いよいよはじまりました
「あさが来た」

冒頭のあさのイメージからは
想像できない幼少期でおどろきましたが
なかなか一筋縄ではいかないような
はじまりでこれからがとても楽しみになりましたね。

今日の名言は
新次郎さんの おいど(お尻)はご無事だすか? です
あさを気遣う優しさなのだと思うのですが
あさへ与えたダメージは大きかったようです。
恥ずかしがるあさちゃんが可愛かったですね。

あさのはじめての許婚との出会いは
最悪のものとなったようですが
これから2人はどうなっていくのでしょうか?

次回、『あさが来た』第2話 「小さな許嫁(いいなずけ)」お楽しみに!!!

『あさが来た』もくじ あらすじと解説・感想

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