『あさが来た』5話「新次郎からのおくりもの、よく考えた先には新しい朝が来る」

お嫁に行かずに学問がしたい、自分の道は自分で決めたいと言うあさ(鈴木梨央)は、
父・忠興(升毅)に叱られてしまうが、それでも懲りないあさは内緒で寺子屋へ出入し
忠興の逆鱗に触れる。
そこへ大坂から許婚(いいなずけ)の新次郎(玉木宏)が現れ、あさへある贈り物を手渡す。

『あさが来た』第1週5話「小さな許嫁(いいなずけ)」あらすじ

許嫁との初顔合わせをしたその夜
結婚への不安を口にしたはつ(守殿愛生)は
「大坂へお嫁に行きたくない」と
大泣きしてしまう。

それはあさ(鈴木梨央)がはじめて見た姉の涙でした。

翌朝、
はつは何ごともなかったように
朝ごはんのしたくをしていた。

そんなはつの姿に
あさはなんともいえず
納得いかないような表情を見せる。

するとあさは、母・梨江(寺島しのぶ)に、
普段見せないまじめな顔をすると
お家のための大事なことというは
わかっているけど自分も姉・はつも
「大坂へは嫁に行きたくない」と伝える。

あさの言葉に驚いた梨江は
そんなに「大坂が嫌い」?と心配するが、
あさは大坂の町は活気があって
大好きだと答える。

しかしそれでも
「自分の道は自分で決めたい」
しっかり者のあのはつが
大坂への嫁入りが怖くなって
わんわん泣いていたことを
母も知っているはずと
強い眼差しで梨江に訴える。

はつの涙を見ていた梨江も
切なそうな表情を見せるが
はつが気丈に「なんでもない」と
言っていた言葉を思い出す。

はつは自分と違って優しいから
ずっと我慢しているだけで
許嫁の新次郎(玉木宏)にしても、
自分のようなじゃじゃ馬を
お嫁になんかほしくないはず
だれも喜ばないのにと言うと
さらに続けてあさは
「嫁に行かず、学問をしたい」と
口にする。

そんなあさに梨江は慌てて
あさの言葉をさえぎると
「おなごに学問は必要ない」と言い
決して父・忠興(升毅)の前では
口にしてはいけないと口止めする。

世間のことや仕事にしても
浅知恵でなにかをすれば
失敗するだけだから、
世の中のことは男に任せて
女は何も心配せずに
お嫁にいくことだけを
考えていればいい。

母もそうやってお嫁にきて
はつやあさが生まれて
お家のために大切なことを
させてもらったと幸せに思っている。

はつにはもう一度
ちゃんと話を聞いておくから
もう余計な心配はしなくていいと
梨江はあさを言いふくめ抱きしめる。

しかし、
母・梨江はそのとき
あさが自分の言葉に
納得していないことに
気づいていました。

忠政(林与一)がふらりと
今井家へ遊びに立ち寄ると、
あさがいなくなったと家中が
大騒ぎになっていた。

騒動を聞きつけた忠政が
部屋に敷いてある布団をめくると
そこには丸められた布団が転がっていた。

それを見た忠政は、
「忍法かわり身の術か!?
やりおるなぁ~ハハ」と
こっけいそうに笑う。

思いつめたように
あさのことを心配するはつ。

今井家が大騒ぎなっているなか、
あさは町の寺子屋で
男の子たちに混ざって
学問を習っていた。

その姿を見た忠興は激怒し
今井の娘が寺子屋で
手習い(勉強)など恥さらしだと
怒鳴りつける。

するとあさは学問をすることの
なにがいけないのかと忠興にくってかかる。

男子はたくさん学問をしているのに
学問をすることは恥ではないはず
おなごがするから恥だというのはおかしい
男がすることでおなごもしたほうがいいことも
たくさんあるはずだと言い放つ。

嫁入りにしても、
親の決め事で物のように
もらわれていくのとは
違う方法もあるはずだ
おなごも自分の道は自分で
ちゃんと考えて決めたい
「うち(わたし)はお姉ちゃんと
一緒に幸せになりたいだけや!」と
啖呵(たんか)をきるあさ。

忠興は鬼瓦のような顔で
なにも言わずにあさを睨みつける。

そんななか、
新次郎がわざわざ大阪から
あさに会いに訪ねて来る。

しかしそのときあさは、
忠興とのケンカでヘソを曲げ
押し入れの中へ閉じこもってしまっていた。

新次郎が来ていることもしらずにあさは、
「お嫁になんか行きたくない!」と宣言する。

慌てるはつとうめのかたわらで
「えらい嫌われてますのやなぁ」と
もの可笑しそうに笑う新次郎。

はつは押し入れに入ると、
よく父・忠興相手にあんなことが
言えたものだとあさに呆れて言うと、
自分でもびっくりしていると話すあさ。

大坂から帰ってきた日の夜
父・忠興が梨江に
山王寺の息子は貧乏ゆすりがひどく
母親の菊もでしゃばりすぎるし
加野屋のボン(息子)は
仕事もしないで三味線ざんまい
どうしたものかと心配していたと
忠興は仕事のためでなく
自分たちの嫁入りのことばかり
気にかけていたとあさへ話す。

あさの怒りが収まるのを感じたはつは
あさを押入れの外へ連れ出す。

するとそこには許婚の新次郎の姿。

驚いたあさは「へぇ!!”?」っと声をあげ
ケホケホとむせ返っていると
「全部聞かれたで」とはつは
いたずらに笑って見せると
その場から去っていってしまう。

あさは恥ずかしさから
また押入れにかくれてしまうと
本当にこのまま嫁入りしていいのか
わからないと正直な気持ちを
新次郎に打ち明ける。

すると新次郎は
確かに、そんな大事なことを
子どものうちに決めるのは難しい
やめたかったら
嫁入りなんかやめればいい
あさの好きにしていいと
新次郎は言うと
よくよく考えて進んだ道には
「新しい朝が来る」
その道を信じて進めばいいと話すと、
そんなあさに新次郎はある贈り物を手渡す。

それは少し小さめの「赤いそろばん」

「パチパチはん(そろばん)や!」と
ふすまごしのあさの喜ぶ顔に
嬉しそうな新次郎。

大人になるまでゆっくりよく考えて
それでもやっぱりお嫁さんに
来てくれるということになったら
「そのときは、仲ようしような」と
やさしく言葉をかける。

その言葉に心打たれたあさは
押入れから飛び出すものの
そのときにはすでに
新次郎の姿はそこにはなく。

新次郎からの贈り物の
「赤いそろばん」を胸に抱くあさ。

このときからあさの心の中で
何かが変わりはじめるのでした。

『あさが来た』第1週5話「小さな許嫁(いいなずけ)」解説

今回は「寺子屋の手習い」について解説していきたいと思います。

寺子屋」とは
文字の読み書きから、そろばんを教える
今で言う学習塾のようなものです。

そして、そこで文字書きを習うことを
「手習い」といいます。

劇中で、あさや子どもたちが読んでいた
三島の里の神垣や、宿は沼津のまこもぐさ」ですが
これは、「往来物」というの教科書なかのひとつ
「東海道往来」の一文。

この「往来物」は手紙でよく使う文例や
紀行文などから抜粋してまとめられたもので、
「東海道往来」は江戸から京都までの
53駅を詠った紀行文です。

「東海道往来」
都路は五十余りに三つの宿
時得て咲や江戸のはな、
浪静かなる品川を、
やがてこえ来る河崎(川崎)の、
軒端ならぶる神奈川は、
はや程谷(保土ヶ谷)のほどもなく、
くれて戸塚に宿るらむ、
紫匂ふ藤沢の、
野もせにつづく平塚も、
元の哀れは大磯か、
蛙なくなる小田原は、
箱根を越えて伊豆の海、
三島の里の神垣や、
宿は沼津のまこもぐさ、
さらでも原の露はらふ、
富士の根ちかき吉原と、
ともに語らん蒲原や、
休らふ由井(由比)の宿なるを、
思い興津に焼くしほの、
後は江尻のあさぼらけ、
けふは駿河の国府(府中)を ゆく、
暮に数ある鞠子(丸子)とは、
わたる岡部の蔦の道、
千とせの松の藤枝と、
よしや島田の大井川、
渡る思ひは金谷とて、
照らす光は日坂に、
賑ふ里の掛川と
かけて袋井ふく風の、
登る見附の八幡とは、
浜松がえの年久し、
時雨し頃も舞阪を、
遠近過る荒井(新居)の磯、
袖に波越す白須賀も、
本より名のみ二河(二川)や、
浦ふく風の吉田こそ、
おもひ知れし御油の里、
解けにしはなも赤坂の、
野田にやまさる藤川を、
岡崎の宿いかならん、
結ぶ池鯉鮒(知立)の仮の夢、
覚る波間の鳴海がた、
ただここもとに熱田の宮、
八十氏わたす桑名の海、
道のゆくえは四日市、
誓ひもかたき石薬師、
庄野の宿り是ぞとよ、
齢ひ久しき亀山と、
留る人なき関ならし、
賎が屋並ぶ坂の下(坂下)、
誰土山に座せしめん、
群れたる露も水口に、
濁らぬ末の石部かな、
野辺はひとりの草津わけ、
実もまもりの大津とは、
はなのにしきの九重に
心うきたつみやこぞと
君の寿祝ひたりけり

さて、みなさんいくつの地名がわかりましたか?
詩で地名や手紙の一文を学ぶというのは
今のわたしたちにとっても子どもにとっても
とても馴染みやすい感じがしていいですね。

【当時の身分制度ついて】→コチラ 第3話 「小さな許嫁(いいなずけ)」解説へ
【当時の女性や結婚ついて】→コチラ 第1話 「小さな許嫁(いいなずけ)」解説へ

『あさが来た』第1週5話「小さな許嫁(いいなずけ)」感想

今回は、赤い糸ならぬ赤いそろばんな 回でしたね。

前回、あいさつもままならないまま
三味線の師匠の会へ出かけてしまった
新次郎さんでしたが、
その埋め合わせにと
わざわざ単身京都まで
しかもプレゼントまで用意して
あさのもとへくるなんて
なんて紳士なのでしょう!

あさが羨ましい。。。

新次郎さんの前では
あのあさも女の子になっていて
恥ずかしがる姿も本当に可愛いですね。

今日の名言は
新次郎さんの 「そのときは、仲ようしような」 です。
子どものあさに目線を合わせたこの台詞
新次郎さんのあさへの気遣いや優しさが出ていて
ステキだなと思いました。

これから2人はどのように距離を縮めていくのか!?

次回、『あさが来た』第6話 「小さな許嫁(いいなずけ)」お楽しみに!!!

『あさが来た』もくじ あらすじと解説・感想

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