『あさが来た』6話「はつには秘密。新次郎と許嫁になった理由」

新次郎(玉木宏)からもらった贈り物の赤いそろばんと、母・梨江から聞いた
新次郎と許婚になった秘話に、あさ(鈴木梨央)の気持ちは大きく揺れる。
時は流れ、成長したあさ(波瑠)とはつ(宮崎あおい)は。。。

『あさが来た』第1週6話「小さな許嫁(いいなずけ)」あらすじ

「お嫁に行きたくない」と
押入れへ閉じこもるあさ(鈴木梨央)へ
新次郎(玉木宏)は赤いそろばんを贈ると、
ゆっくり大人になるまで考えて
それでもお嫁に来てくれるなら
そのときは仲良くしようと言葉を残し
今井家を後にする。

新次郎から贈られたそろばんを見つめ
今まで感じたことのない気持ちの変化に
胸を押さえるあさ。

その様子をどこか体調でも悪くしたのかと
心配するうめ(友近)と梨江(寺島しのぶ)。

そしてそのころ父・忠興(升毅)は、
店の番頭たちを集めて話し合いをしていた。

先日、足を運んでみてよくわかった
大阪はぬるま湯に浸かったような
店ばかりで当てにはできないと言うと
今貸し付けている金銀の取立てと
これからの幕府への対応を話し合っている。

今井が、ご公儀(幕府)を見限るときが
来たのかもしれないと忠興は神妙な顔で
言う姿をだまって聞いている忠政(林与一)。

ご公儀とは江戸幕府のこと、
そして、時代の変わり目の日本にも
あさのもとにも新しい朝がやってきました。

新次郎からの贈り物のそろばんを
母・梨江に見せるあさ。

それを見た梨江は感嘆したように
とてもいいそろばんだと言うと
「梅の木」を使った珍しい
品物だとあさへ告げる。

そんな赤いそろばんを見つめるあさに
梨江は先日、あさが父・忠興に言った
「親の決め事で
物みたいにもらわれていく」
その言葉について誤解があると話すと
この話は一生話さずにいようと思っていたがと
梨江はあさへ重い口をひらきだす。

本来あさは山王寺屋の惣兵衛(柄本佑)のもとへ
姉・はつ(守殿愛生)が加野屋へ嫁ぐはずだった。

しかし、あさが7歳の正月に
久太郎(興津正太郎)の凧(たこ)を背負って
空を飛ぼうとして木から落ちた
あの事件の話が山王寺屋の耳に届いて
父・忠興に直談判に来たと話はじめる。

山王寺屋の主人・栄達(辰巳琢郎)は
今井家を訪ねると
惣兵衛は大事な山王寺屋の跡取り
嫁取りはお家の一大事だ
それにはふさわしい娘が必要だと、
惣兵衛の嫁にはあさではなく、
姉のはつを嫁にもらえないかと
頭をさげる。

しかし、
忠興は「冗談やおまへん!」と
きっぱりと断ると
「あさかて(あさだって)、
うちの大事な娘や。
そんなことは道理が立たへん。」と
怒ったのだという。

忠興が自分のことをそんな風に
思ってくれていたのかと
はじめて知ったあさは嬉しさから
瞳にはうっすら涙が浮かぶ。

忠興に断られた山王寺屋の栄逹は
今度は加野屋へ直接出向き、
嫁の取り替えの話を持ちかけたという。

その話を聞いた
加野屋の主人・正吉(近藤正臣)は
そんな話は冗談じゃない!と断り
「犬や猫やないんだすからな!」と
怒るってみせるが、栄逹は一行に退かない。

加野屋の新次郎は分家(次男)だが、
惣兵衛は長男で山王寺屋の跡取り
跡取りの嫁といったらお家の大事だ
ことの大きさが違うと言うと
「跡取り」の言葉に正吉もたじろいだが
それでも、たとえ分家といえども
新次郎も加野屋の大事な息子だと
栄逹と口論になる。

しかしそこへ新次郎がひょっこり顔を出すと
「ええで(かまわない)。」と笑って話に入ってくる。

その言葉に驚いた正吉は
こんな大事なことをそんな
いい加減に決めては。。。と
新次郎をたしなめるが、
当の新次郎は
いい加減な気持ちではないと言い
自分は赤ん坊の頃から
あさのことを何度も見ているが
自分はあさのことが好きだと言い
驚く正吉と栄逹を前に
「好きやで。仲ようやれる
(仲良くできる)と思うな。」と
にっこり笑って答えたという。

梨江も最初はこんなことは
前代未聞だと戸惑ったが
忠興から新次郎の話を聞いて
もしかするとそれがあさにとって
一番いい道なのかもしれないと
思ったのだと話す。

顔がこわばったように
何も口にしないあさに
怒ってる?落ち込んだ?と
声をかける母・梨江にあさは
「あんまりにもびっくりぽんで
言葉も出えへん」と答える。

そんなあさに梨江はこの話について
「はつには一生ないしょやで」と
口止めするのだった。

母・梨江から、新次郎との秘話を
聞かされたあさは、蛇の脱け殻を手に
はつの気持ちを思うと申し訳ない気持ちになる。

「白蛇はん(惣兵衛)が
ええお方(いい人)でありますように!」

はつの幸せと願うとともに
新次郎が赤ん坊のころから
自分を見てくれていたと思うと
あさの胸に熱い想いが沸きあがるのでした。

許嫁の新次郎からの贈り物ということで、
特別にあさにそろばんの勉強が
許されることになりました。

「好きこそものの上手なれ」の言葉のとおり
あさのそろばんの腕はめきめきと上がり。

ついには、今井の家で働いている
丁稚(でっち)や番頭(ばんとう)をも
驚かせるほどになりました。

稽古事の琴(こと)は
どれだけ練習しても
うまくならないのに
一体どういうことかと
首をかしげる忠興。

しかし、そろばんをはじく
あさの姿をみつめていた梨江は
まるでだれかにそっくりだと言って
忠興に笑いかけるのでした。

ある日、あさが縁側で
祖父・忠政と囲碁を指していると
その日あさははじめて忠政に囲碁に
勝ってしまう。

そのことに嬉しくなったあさは
次から置き碁なしで勝負したいと言うと
忠政まだまだ新米のくせにと
あさの小脇をくすぐってこらしめる。

その昔、
一度はあさのことを
男にしようかと考えたが、
跡継ぎの久太郎が
利口になったのもあるが
おなごにはおなごの
やわらない良さがある
「あさはやっぱり女でよかった」と
忠政が口にする。

そこへ、姉のはつがおやつの
水羊羹(みずようかん)を
持ってくる。

忠政ははつ、あさ、久太郎の
3人の肩を抱くと今は「時代の変わり目」
これから3人の生く先にどんなことが
待ち構えているかわからない。

でもそのときはみんなで力を合わせて
笑って切り抜けるようにと
言い聞かせるのでした。

しかし、時代の変化の速さは
あさや人々の思惑をはるかに
越えるものとなるのでした。

1865年(慶応元年)京都

時は流れ、あさとはつもようやく
美しい年頃の娘になっていましたが
あさ(波瑠)は相変わらず
おてんばで好奇心旺盛なまま育ち、
一方、姉・はつ(宮崎あおい)は
慎ましやかな女性に成長していた。

この年頃になってもあさは
相変わらず木に登っては
女中のうめや母・梨江を呆れさせ、
体だけは大きく育っていたものの
中身は相変わらずのおてんば娘です。

これからあさやはつには
どんな運命が待ち構えているのでしょうか

『あさが来た』第1週6話「小さな許嫁(いいなずけ)」解説

今回は「梅の木のそろばん」「囲碁の置き目」「女中・丁稚(でっち)・番頭
1865年慶応元年の出来事」について解説していきたいと思います。

梅の木のそろばん
「梅」は万葉時代に最ももてはやされた花で、
花といえばサクラではなく「梅」を指していました。

木材としては、中心は赤みの強い茶色、
周辺は薄い黄色(やまぶき色)をしていて
材質は強靱。

乾燥に強く、材質はかたい割には加工がしやすく
仕上げ面は滑らかで光沢があります。

耐朽性が強く。材の用途は工具の柄やお椀などの
器具材が主で、そろばん珠、将棋の駒、箸、
数珠などの小細工物にも使われるが数は少ない。

そして梅の木は、これもごく少数ですが
三味線の胴、床柱にも使われています。

もしかすると、
あのあさのそろばんと同じ梅の木で
新次郎もおそろいの梅の木の三味線を
使っているかもしれませんね。

囲碁の置き目
棋力の差がある人と対局するときに、
公平になるように置き石(ハンデ)を置いて対局することを言います。

女中・丁稚(でっち)・番頭
女中。。。武家に雇われて家事の手伝いなどをして奉公する女性のこと。
丁稚(でっち)。。。商家に住込みで雑用など奉公する少年を指す言葉。
番頭。。。商家などの使用人たちのまとめ役。経理など、店のすべてを預かる役職。

1865年慶応元年の出来事
薩長同盟
1864年 – 1866年、薩長同盟へ向けて
坂本龍馬、三条実美、中岡慎太郎らが奔走し、
京都薩摩藩邸内で木戸孝允・西郷らが立会い、
1866年薩長同盟の密約が締結。

兵庫開港要求
1865年冬、英国公使パークスが主導する
英仏蘭連合艦隊が兵庫沖に迫り兵庫開港を要求。
1866年、イギリス、アメリカ、フランス、オランダの
4カ国との間に改税約書が調印され、
輸入関税が大幅に引き下げられます。
イギリスなどからの日本への輸入は急増し
大量生産による安価な海外綿製品に
日本の手工業的綿織物は太刀打ち出来ず、
大打撃を受けることになります。

【あさの男化計画ついて】→コチラ 第2話 「小さな許嫁(いいなずけ)」へ
【時代背景・主な出来事ついて】→コチラ 第2話 「小さな許嫁(いいなずけ)」解説へ

『あさが来た』第1週6話「小さな許嫁(いいなずけ)」感想

今回は、大事な娘に優劣なし!な 回でしたね。

父・忠興さんの
「あさかて、うちの大事な娘や。
そんなことは道理が立たへん。」は
どんなにじゃじゃ馬なあさとはいえ大切な娘
そんな娘を軽々しく交換して欲しいと言われ
娘を思う父の言葉に感動しましたね。

どうしてもじゃじゃ馬なあさには
心配させられてばかりで
言葉も躾も厳しくなりがちですが
これも大切に思うからこそなんですね。

今日の名言は
祖父・忠政さんの あさはやっぱり女でよかった です。

女性であるからこそ、そのたくさんの可能性を秘めている
いろいろな希望を感じさせてくれるあさに対しての
忠政さんの思いを感じさせられます。

母・梨江から聞いた新次郎の思いに、
あさの気持ちは次第に動き始め
年頃になったはつには
嫁入りのときが近づいています。

次回、『あさが来た』第7話「ふたつの花びら」お楽しみに!!!

『あさが来た』もくじ あらすじと解説・感想

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