『あさが来た』19話「あさはまるでカツオ?新次郎と相撲がとりたい」

帳簿の整理をし加野屋の貸付金が900万両と膨大なことが判明する。
そして、加野屋の蔵に千両箱がないことに不安を感じたあさ(波瑠)は、
正吉(近藤正臣)へ貸付している大名への取り立てをさせてほしいと直談判する。
一方、山王寺屋に嫁いだ姉・はつ(宮崎あおい)は。。。

『あさが来た』第4週19話「若奥さんの底力」あらすじ

その後もあさ(波瑠)が何度山王寺屋を訪ねても、
はつ(宮崎あおい)は留守だと追い返されてしまい
さらに心なしか山王寺屋の店に活気もない気がして
山王寺屋の様子が気になるあさ。

あさの話に「それは気になるなぁ」と
新次郎(玉木宏)はあいづちをうっていたが
こっそりと出かけようとしていると
その様子にあさが気づき
「お三味線に行かはるおつもりだすな!」
と、新次郎を呼び止める。

新次郎シッ!と指を立て
大きな声を出さないように
あさに注意すると、
新次郎の父・正吉(近藤正臣)は
謡(うた)も茶の湯もいいと言うのに
三味線だけはたいそう嫌いで
三味線通いがバレたら困るのだと
新次郎はあさへと言うが、
それにしても、
今から三味線通いに行くと
なぜあさがわかったのかと
気になった新次郎が訊ねる。

最近になってようやく少しだけ
新次郎の行動がわかるように
なってきたのだとあさは答える。

すると、手代の弥七(竹下健人)が
あさのもとへ一通の文を持ってくる。

それは、姉・はつからの文で
「元気にしているので
心配しないように」と、
はつのきれいな字で
書かれていました。

はつが元気だと知り
安堵するあさに新次郎は
「よかったなぁ」と声をかけると
揚々と巾着を振り回しながら
三味線通いへと出かけようとする。

そんな新次郎の背中を追いかけながら
あさは加野屋の蔵に千両箱がないことや
米会所で再会した五代才助(ディーン・フジオカ)が
「達者(元気)で生きったもんせ
世ん中は こいから大きく変わっで」と
言っていた言葉を思い出し、
こんなに立派加野屋でも
もしうわさのように戦になって、
徳川さまが負けたりなどしたら
無事にいられるかどうかわかわないと
新次郎に相談するが、
あさの口から出た薩摩言葉に
新次郎は大きくため息をつくと
商人が天下国家を論じるのは
ご法度なことだと注意すると
三味線通いへと出かけてしまい
取り合ってはくれなかった。

どうしても諦めきれないあさは、
大番頭・雁助(山内圭哉)の後ろ姿について周り
「なんでだす?なんでだす?」と
店のことや両替屋の商いについて聞いて回る。

雁助は両替屋は
お金を貸しては返される商売
だから、加野屋の蔵といえど
いつも千両箱を山積みに
しているわけではない
その代わり大名貸の
「証文(しょうもん)」を保管していると
雁助はあさへ説明するが。

「証文でなんだす?」と訊ねるあさに
何でもかんでも1~10まで説明していたら
時間がいくらあっても足りない
お金の仕組みなんてものは
若奥さんは一生知らなくてもいいものですと
雁助に怒られてしまうあさでしたが
「何も知らんままお家を守るなんて
無理なことや」とふてくされていると
大名貸が多いということは
大きな両替屋の証
何も心配することはないと
雁助はするがそれでもあさは
なんでこんな紙切れが
金銀と同じ価値なのか
こんな紙切れの書付が
信用の証になるのかが理解できない。

「こんなん鼻紙にしてチーンしてしもたら。。。」
なんの意味もなくなってしまうではないかと
あさに「なんでだす」に困り果てた雁助は
耳をふさいでとうとう逃げ出していってしまう。

そんなふたりのやりとりを蔵の影で聞いていた
正吉(近藤正臣)と中番頭・亀助(三宅弘城)。

正吉は「証文」で鼻をかむという
あさの言葉に衝撃を受け
亀輔は、あの雁助が
弱音をはいて逃げ出すなんて
珍しいと面白おかしそうに
見ていたのでした。

店に出ていた正吉の横に
女将・よの(風吹ジュン)が座ると
よのは本当に商売には口を出さないが
よく気が利いて内助の功のあると関心し
「ほんまに私はええ奥さんを
もらいましたのやなぁ」と
嬉しそうに笑っている。

すると、よのが思い出したかのように
巷に流れるあさのうわさを正吉へ話す。

あさがしょっちゅう昼間出かけては
買い物やお芝居を見に行くわけではなく
商売敵の山王寺屋の前をうろうろしたり
米会所へ顔をだしたりしていると言う
話を正吉にしていると、
そこへ新次郎がやってくると
「わての嫁はんは
さんまやかつおと同じやさかい
泳いでいてな生きていけまへん
って言うてな」と笑う。

そんな新次郎の言葉によのは
「嫌でっせ、うちのお嫁さんが
おとと(お魚)やなんて」と呆れてしまう。

一方山王寺屋へ嫁いだはつは、
蔵からは出してもらえたものの
出された食事にも手をつけず
ろう人形のように座っていた。

そんなはつの様子を
お付のふゆ(清原果耶)は
悲しそうに見つめていると、
夫・惣兵衛(柄本佑)がやってきて
今日も食べていないのかと
はつに声をかける。

「何も食べんかて
ニセの文を書くことくらい
どうない言うことあらしまへんよって」

はつは山王寺屋によって
ウソの手紙を書かされていたのでした。

そうか。。と惣兵衛は
一瞬悲しそうな表情を見せるが
「そない言うてもお前は
この家の子を産まないアカンのや、
ちゃんと食べぇ」と言い捨てると
ピシャンと障子をしめて行ってしまう。

部屋に残されたはつは
「もう笑われへん」と
御守りを握りしめ
あさのことを思うのでした。

その夜、
あさが部屋を整理していると
ある本を見るける。

新次郎に本について訊ねると
三味線や浄瑠璃(じょうるり)の仲間と
面白そうな本をみつけては
貸し読みしているのだと話す。

するとあさは新次郎に
商売に役立つような本があれば
ぜひとも読んでみたいとお願いすると
新次郎は「よっしゃ、選んだるわ」と
快く了承する。

そしてあさはもうひとつお願いしたいことがるというと
新次郎は「ついでや、何でも言うてみ?」とあさへ言うと、
あさは貸付先にお金を取り立てに回りたいと言い出す。

「そらあかんわ」と新次郎はキョトンとした顔で言うと
紙切れの証文だけでは信用できないし
姉のはつにも何度会いに行っても会えないし
家の中でただ悶々と考えているだけでは
おかしくなってしまいそうだとウズウズするあさは
新次郎へ最後のお願いですというと
「うちと相撲をとってもらわれしまへんやろか?」と言う。

「はぁ!?相撲!!?」(新次郎)

あさはおもむろに立ち上がり
腹帯をパシン!と叩くと
大きくシコを踏んで新次郎を見定める。

新次郎は小刻みに首を横にふると
「嫌や、それだけは勘弁してぇな」と
切なそうな表情を浮かべると
「ホンマしゃあないなぁ(仕方が無い)」と
あさを父・正吉のところへと連れて行く。

正吉はあれほど心配無用と言ったのにと
呆れたよう苦言をあさに伝えるが、
あさは「証文」を見直していて
気になったことがあると
正吉にあることを話し出すのでした。

ここ10年ほどの付き合いの
「宇奈山(うのやま)」という武家は
加野屋とつきあいをはじめてから
一度も返済をしたことがなく
ほかの店からも金を借り続けていると
宇奈山への信用への不安を口にする。

すると正吉は「そこまで調べたか」と関心し
宇奈山へのみと条件をつけあさに
借金の取り立てを許すのでした。

翌朝、
あさはお付のうめと中番頭の亀吉をともない
宇奈山藩の蔵屋敷へ向かいました。

しかし、
「商人のおなごの分際で
蔵屋敷に足を踏み入れるとは何事か!
出て行け!」門番に突き飛ばされてしまう。

あさは大きくしりもちをついたが
「負けへんで」門番ににらみをきかせるあさ、
とはいえ、あさの仕事は前途多難でした。

そこへひとりの女性が
「おあさ様?」とあさに声をかける。

『あさが来た』第4週19話「若奥さんの底力」解説

今回は「さんまとかつお」「証文(しょうもん)」「蔵屋敷(くらやしき)
大名貸(だいみょうがし)」について解説していきたいと思います。

かつおとさんま
《かつお》
かつおは生まれてから一生泳ぎ続ける魚で
その泳ぐ早さは最高時速50km。

江戸時代の人々は初かつおを特に珍重していて
山口素堂が俳句に
「目には青葉 山時鳥(ほととぎす)初松魚(かつお)」と
読んだのは有名です。

特に江戸(東京)では初かつおを食べることが「粋(いき)」とされ、
値段が高騰し「女房子供を質に出してでも食え」と言葉になったほどです。

かつおは庶民にとっては高嶺の花の魚でした。

《さんま》
一方、さんまもかつおと同様に一生泳ぎ続ける魚ですが
さんまは江戸の初期ごろ民衆の中でよく食べられる魚で
当時の貴族などには食べられていなかったようです。

あんなに美味しいのに
なんだかもったいないですね。

加野屋の主人・正吉があさのことを
「さんま」でなく「かつお」と読んだのは
もしかすると正吉があさの商売の才覚を
いち早く見抜いていたからかもしれませんね。
証文」とは
借金や金品の貸し借りの約束事を証明する文書。

蔵屋敷(くらやしき)」とは
江戸時代に大名や藩が民衆から集めた年貢の米や
治める領内の特産物などを販売するために設置した
倉庫と住居が同じ敷地内に併設した屋敷のことです。

この蔵屋敷には藩から武士が派遣され
蔵役人(くらやくにん)と呼ばれていました。

しかし、江戸時代の中期以降は藩の財政が悪化、
蔵元や両替屋などの商人たちから大名貸(借金)が頻繁に行われ、
また見通しが不明な来年入荷予定の米と引き換える
「空米切手」の発行などが横行するようになっていました。

大名貸(だいみょうがし)」とは
表向き信用貸しという名目での借入れではありましたが、
実際にはお米が担保となっていました。

しかし、藩の財政難から発行されるようになった「空米切手(米の予約券)」で
藩は年貢米などからその借金を返済しなければならなかったが
藩の中には飢饉(米の大不作)などの時に返済に迫られ、
手元にある米を返済にまわし、飢餓で苦しむ民を放置したために
更なる財政難と借金を増やす藩も多かった時代です。

そのため、蔵屋敷の多く集まる大阪は
最後まで経済がなりたっていたといわれています。

そして、大阪の商人や両替屋が藩の経済や財政にも
影響力をおよぼしていたため、
幕府との癒着を疑われることもありました。

【幕末の主な出来事一覧】→コチラ 第2話 「小さな許嫁(いいなずけ)」解説へ

『あさが来た』第4週19話「若奥さんの底力」感想

今回は、あさの取立てがはじまる!な 回でしたね。

なんだかんだと言って、
新次郎さんも正吉さんも雁助さんも
あさには甘いですよね(笑)

見ていて微笑ましいです。

そしてあさの頑張りが認められ
正吉さんから取立てへいく許可が下りました!

ようやくあさの本領発揮になるか!?

しかし、
はつの書いた手紙は無理やり書かされた
ウソの手紙だったみたいですね。

なんてひどいことを。。。

ショックのあまりはつは食事ものどが通らない様子。

白蛇こと惣兵衛さんも心配している様子なのに
あのいいようですし、はつに伝わってないような気がします。

白蛇さん不器用すぎ!!
一体どうなってしまうのか!??

今日の名言は
新次郎さんの
わての嫁はんはさんまやかつおと同じやさかい
泳いでいてな生きていけない」 です。

本当によくあさのことをわかってらっしゃるなぁと
関心してしまいました。

あさに声をかけた声の主は一体誰なのか??
宇奈山藩へ取り立てに向かったあさ
いよいよあさの商人道の始まりの予感です!!

次回、『あさが来た』第20話「若奥さんの底力」お楽しみに!!!

『あさが来た』もくじ あらすじと解説・感想

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