『あさが来た』22話「あさは格別なおなご!加野屋は新政府と結びつく。」

徳川を退けた新政府は大坂の両替屋に対し10万両の調達を言い渡す。
まだ徳川につくべきかと戸惑う両替屋も多い中、正吉(近藤正臣)は
あさ(波瑠)にこの先をどうすべきかと意見を求める。
そんな中、新政府は新たな政策を発表し、その政策を見聞きした
民衆たちはパニックを起こし両替屋に押し掛けてくる。。。

『あさが来た』第4週22話「若奥さんの底力」あらすじ

腰を痛めてしまった正吉(近藤正臣)の代わりに
新次郎(玉木宏)が店に座っている横で
あさ(波瑠)がこの先どうしたものかと思案していた。

戦のためにお金を貸すなんてバカらしいと
率直な気持ちを口にするあさでしたが
新政府が要求する10万両をどう調達しようかと
頭を抱える加野屋の面々。

「よそさんはどうしはんのやろ
(ほかの両替屋はどうするのだろう)」(新次郎)

あさは山王寺屋に嫁いだ
姉・はつ(宮崎あおい)のことを思うのでした。

新政府の無理な要求に
混乱したのは加野屋だけではなく、
はつのいる山王寺屋も同じだった。

どこの者かもわからない新政府なんて
そんなもの断ってしまえばいいと
憤る菊(萬田久子)。

時代の変わり目を感じた惣兵衛(柄本佑)は
新政府にしたがった方がいいと提言するが
そんな惣兵衛の言葉を菊は鼻で笑い
200年安泰だった山王寺屋が傾いたのは
惣兵衛の代になってからだと言うと
「あんたが何もしなかったせいで
こうなってしもたんやろ!」と当り散らし
「あんたは黙って
言うこと聞いてたらいいんや!」
菊は惣兵衛に言い放つと部屋から出ていく。

お茶を手に部屋に入ろうとしていたはつは、
そのやり取りを廊下で聞いてしまい、
部屋に入れずにたたずんでいると
そこで姑の菊を鉢合わせてしまう。

「盗み聞きだすか、
さすが今井屋さんは
お育ちのええこと」(菊)

菊はそう言うと、
その場から去っていく。

部屋の中に座る惣兵衛の
ひざで握りしめられた拳は
固く握られたまま
小刻みに震えていた。

そんな惣兵衛をはつは
心配そうに見つめるのでした。

床でふせっている
正吉の腰を揉んでやるあさは
正直に言えば新政府なんかに
一銭も払いたくないけれど
正吉に新政府に金を払うべきだと話す。

今日本は「新しい朝を向かえようとしている」
そんな気がするとあさはいうと
そのむかし、新次郎がいった
「ようよう考えて進んだ道には必ず、
新しい朝が来る」という言葉を思い出し。

今のこの世はどこかの誰かが
よくよく考えていろいろ失敗もしながら
「新しい朝がくるのを待っている」
そんな気がすると話すあさ。

あさのその言葉に正吉は
いままでのことを思い出し、
武家の宇奈山さまが
お金を返してくれたのも
新撰組の土方さんが
あさの行いを許してくれたのも
あさがムチャクチャなことを
言ったからではなく
あさの言う言葉には一本の筋が
通っているからだと言うと
あさはあまり言葉は上手ではないが
「人の心をつかむ」と言い。

そのせいか最近、
あの新次郎も変わってきたと笑う。

そして正吉は少し考えをめぐらせ
あさに店にあるお金をすべてを
数えるように伝えると
あさの考えに乗ると言い
「この加野屋は
新政府と結び付きますのや」と
決意を口にする。

そしてその新政府にはなんと
あの五代才助(ディーン・フジオカ)が
外国事務の参与として関わることになっていた

料亭で今後の話を交わす才助と
大久保一蔵(柏原 収史)は
これからは小さな枠組みを越えて
「ひとりの日本人」として
この日本を育てていけることに
喜びを語り合っていた。

そのころ、加野屋ではあさがひとり
寝室でお金の勘定をしていた。

床で金勘定をするあさに新次郎は
また色気のないことをと呆れるが
こんなお家の一大事に
寝ている場合ではないと言うあさ。

「加子部屋では寝てたくせにか?」(新次郎)

と、新次郎はあさを冷やかすと
「あ~お金欲しおすなぁ!」
お金が欲しいと言えば。。。と
新次郎は井原西鶴の話をはじめる。

貧乏な男が金持ちに貧しさという病を
直すクスリはないかと聞きに来ると
その金持ちは「長者丸(ちょうじゃがん)」という
妙薬の作り方を教えたという。

朝起きが 5両
家業が 20両
夜詰(よづめ)が 8両
始末  10両
達者  7両

この50両を粉にして朝夕飲めば
長者(金持ち)になることまちがいなしという話。

そう話すと新次郎はその話が書かれた本を
あさへ手渡しあさが夢中になっているすきに
こっそりと出かけようとする。

しかし、新次郎が草履を履こうとした瞬間
旦那さま!と突然呼び止められた新次郎は
飛び上がって驚く。

新次郎が渡した本を
もう読み上げてしまったあさが
「さきほどのお薬のお話には
つづきがありました」と
新次郎のもとへやってくると
「男子が囃子芸(はやしげい)を習うこと
茶の湯をすること、日中から風呂に入ること
これらは毒薬よりも恐ろしいものなので
心の中で思うことさえならぬ」と読み上げると
新次郎の出かける様子を見て
「お早う おかえりやす」と言って
新次郎を送り出すのでした。

しかし、また驚くような出来事がおこりました。

新政府は全国で使える新しいお金を作ろうとし、
大坂で使われていた銀貨を使えなくしてしまうと
いう通達を発表するのでした。

さらに事態は悪化し、大坂は大混乱に陥ります。

新政府の発表にパニックをおこした民衆が
山のように両替屋加野屋に押し掛け、
「銀目手形(ぎんめてがた)」を金に換えようとし
店の前は人だかりで店を開けることすらままなず
山王寺屋でも同様の自体に。

すべての銀目手形を引き換えてしまえば
両替屋の店自体が潰れてしまいかねない
どうしたものかと主人たちが頭を抱えていた。

民衆たちは
「引き換えないなら、主人を出せ!」
と気を荒立て騒いでいる。

加野屋の主人・正吉は
まだ腰を痛めていて
外へ出れる状態ではない。

中番頭の亀助(三宅弘城)が
困り果てていると

「それやったら、
わてかお兄ちゃんが
出て行くしかあらしまへんな」(榮三郎)

その榮三郎(吉田八起)の言葉に
新次郎は自分はこんなのは苦手だし
何していいかもわからない
かといって、こんなまだ幼い榮三郎を
矢面に出すわけにはいかないし。。。

「あさここはひとつ頼むわ」(新次郎)

「おなご言うたかて、
男以上にしっかりしてるがな!
あんたは普通のおなごやあらへん!
格別なおなごや!
わてが見込んだ格別なおなごや!」(新次郎)

新次郎はそういうとあさの手をとり
なんとかしてほしいと頼むのでした。

店先では、大番頭の雁助(山内圭哉)が
民衆に対し必死に対応するが
頭に血の上った民衆たちには
なんの効果もなく「主人を出せ」の一点張り。

それでも雁助は丁寧に加野屋の主人・正吉が
床にふせっていると説明していたそんな中、
雁助の顔めがけて草履が投げつけられる。

さすがの雁助の堪忍袋の緒も切れ

「わからん客人や!
(わからない人たちだな)

さっきから腰低うして謝ってたら
(腰を低くして謝っていたら)

つけあがってしもて
(つけあがりやがって)

ええ加減にしてさらせ!!!
(いい加減にしろよ!)」(雁助)

と、まくし立ててしまい
店の前が大乱闘になろうとしたそのとき!

「お待ちやす!!!」(あさ)

新次郎に「格別なおなご」と言われ
その気になったあさは凛々しい姿で
店の中から出てくるのでした。

『あさが来た』第4週22話「若奥さんの底力」解説

今回は「井原西鶴」「銀目手形」「新政府 お金」について解説していきたいと思います。

井原西鶴
大坂が生んだ俳諧師で、1642年難波に生れ、
15の頃から俳諧師(日本文学作家)を志し
俳諧師として名をなした人物。

一日の間に俳句をいくつ作れるかを競う矢数俳諧をつくり、
またその最高記録保持者でもあります。

その最高記録は23,500句!!すごいですね。。。

その個性的な作風から阿蘭陀流(オランダりゅう)と称され
その代表作のなかには『好色一代男』や『世間胸算用』があり
新次郎があさに読ませた本がまさしく『世間胸算用』です。

《長者になるために必要なこと》
朝起き・・・早起き
家業・・・家業に励むこと
夜詰(よづめ)・・・夜の作業(徹夜?)
始末 ・・・倹約
達者・・・健康

《毒断(どくだち)禁じるもの》
夜歩き、琴や詩、茶の湯、花見や舟遊び、日中のお風呂
確かにこのようなことが書かれています。
まさしく新次郎さんそのものですね(笑)

 

銀目手形」とは
銀目手形とは信用通貨のことで、
今でいうところの「小切手」や「手形」のようなものです。

 

新政府 お金
新政府は全国で統一の貨幣制度を目指し
各地で銀貨を禁じたものの、当初新政府には
通貨制度を整備するようなゆとりがなかったため、
幕藩時代の金貨や藩札をそのまま通用させるなど
混迷を深め、金銭が足りないとなると
金本位制をうたいながらも、金銀硬貨を使用し
各種通貨間の交換比率も非常に複雑を極め、
さらに偽造金貨、紙幣も横行するなど
通貨制度は混乱をきわめました

【幕末の主な出来事一覧】→コチラ 第2話 「小さな許嫁(いいなずけ)」解説へ

『あさが来た』第4週22話「若奥さんの底力」感想

今回は、いよいよあさの本領発揮!?な 回でしたね。

10万両の大金の用意と民衆のパニック
本当に幕末の波乱な時代が幕を開けました。

山王寺屋では惣兵衛が懸命に店を何とかしようと
菊に直談判するもののあっさりと却下され
挙句の果てにはすべての責任は惣兵衛にあると
八つ当たりされてましたね。。。

息子にまでそんな感じなんですか!?と
てっきり息子溺愛のお母様なのだと
思っていたので驚いてしまいました。

ここでも栄達さん
菊さんに一言もものいいませんでしたね
残念です!

今日の名言は
新次郎さんの 「わてが見込んだ格別なおなごや!」 です
本当にあさを乗せるのがお上手で(笑)

いよいよあさが表舞台へと出てきます。
血の気の多い民衆相手に
あさは一体どうたちまわるのか!!??

次回、『あさが来た』第23話「若奥さんの底力」お楽しみに!!!

『あさが来た』もくじ あらすじと解説・感想

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