『あさが来た』25話「あさの立派なおいど(お尻)。山王寺屋の倒産、はつの夜逃げ。」

あさ(波瑠)の働きでなんとか窮地を脱した加野屋でしたが、状況は一向にかわらず
商いは苦しいままでした。そんな中、はつ(宮崎あおい)が嫁いだ山王寺屋は倒産。
はつと山王寺屋の一家は夜逃げをしてしまい行方不明になってしまう。。。

『あさが来た』第5週25話「お姉ちゃんに笑顔を」あらすじ

奈良の豪商・玉利(笑福亭鶴瓶)から
「日本一の女商人になる」と
太鼓判を押されたあさ(波瑠)は
お金の用立てに成功する。

しかし、その帰りの道中
偶然出会った姉・はつ(宮崎あおい)の様子に
あさは違和感を感じそれ以降あさは
はつのことが気になってしかたがありません。

あさの活躍により加野屋はどうにか
幕末から明治の時代への変わり目の
窮地を乗り越えました。

1868年(明治元年)

しかし、窮地は脱したものの
まだまだ気の抜けない状況が続いています。

「両替屋には厳しいときでおますなぁ」(雁助)

そういう大番頭・雁助(山内圭哉)に
中番頭の亀助(三宅弘城)は
奈良の豪商・玉利の家での出来事を
加野屋の主人・正吉(近藤正臣)の前で
話しをはじめる。

あさはまだ何も決めてはいないと言っていたが
これからは両替屋をやっているだけではいけない
新しいことを始めなければと話していたことや
あの玉利相手に堂々とたんかを切って
「日本一の女商人になる」と言わしめたことに
亀助は最近ではあさのことが頼もしく思えて
惚れ惚れしたと嬉しそうに話す。

そんな亀助の言葉に

「おなご相手にそんな情けないこと言てるさかい
あんたはいつまでたっても嫁はんのひとりも
もらわれしまへんのや!」(雁助)

と、雁助は呆れた様子で小言を言うと
嫁の来手がないと言われた亀助は憤慨し

「番頭さんかて、40越えて嫁さんに逃げられて
独り者だすがな!」(亀助)

と、嫁に逃げられた番頭に言われたくはないと
言い返すと子どものような言いあいをはじめ
挙げ句のはてには双方そろばんを手に
立ち上がっての大喧嘩へとなろうとしたところへ
主人の正吉がとめにはいる。

そして正吉は、中番頭の亀助を捕まえると
小声で雁助に奥さんの話は禁句だと言うと
どんな大喧嘩をしてるときでも
相手がズキぃ~ッと胸を突き刺されるような
そんな言葉は言ってはいけないと
常日頃言っているだろうと注意する。

「嫁はんと娘
今どこにおるんやろなぁ。。。」(雁助)

反省した亀助がふりかえると
虚ろげな顔でそろばんを抱いた雁助が
出ていった家族を思い出している姿を見て
亀吉は心から反省するのでした。

「新しい商いかぁ。。。」(正吉)
あさの考えに興味をそそれれる正吉です。

そのころあさは、
加野屋の庭にある若木に登ろうとしていた。

そんなあさを通りがかった
新次郎(玉木宏)が呼び止め
何をしようとしているのかと訊ねる。

するとあさは若木につたって蔵の屋根に上がれば
少しは山王寺屋の様子が見れるのではないかと
はつのことが気がかりだと新次郎に答える。

「あんたみたいな
立派なおいど(お尻)のおなごはんが登ったら
蔵につくまえに折れてしまうがな」(新次郎)

と、新次郎があさをからかうと
すねたように頬をふくらませるあさ。

それでも、どうしても姉・はつのことが
気になってしかたがないあさの様子に
新次郎は「しかたないなぁ」というと
その夜、新次郎は三味線の稽古ついでと言い
あさを連れ山王寺屋の様子を見に向かう。

三味線の稽古と聞いてあさは
あの美しい三味線の師匠
美和(野々すみ花)の事を思い出し
あまりいい気持ちがしませんでした。

そしてふたりが山王寺屋につくと
店の前には大勢の人だかりが。。。

山王寺屋の前にいた人だかりは借金の取り立てで
男たちは戸を激しく叩くが中からの返答はなく
ついに戸が蹴破られてしまう。

しかし、山王寺屋はもぬけの殻で
山王寺屋は家族で夜逃げをしたあとでした。

山王寺屋の夜逃げに驚いて
足が動かないあさと新次郎です。

大手両替屋山王寺屋の倒産に続き
大阪では次々と両替屋が潰れていきました。

町では明日は加野屋かと悪いうわさがたち
店には換金を求める客がつめかけました。

加野屋では緊急の経営会議が行われ
何が新しい時代だと亀助が愚痴をこぼすと
加野屋も玉利からお金を借りられている間に
なんとかしないと山王寺屋の二の舞になると
危機感をにじませていた。

この加野屋が潰れてしまったら
大阪に両替屋がなくなってしまう
それだけはなんとしてでも
大阪のためにも防がなければならない
主人・正吉はそう宣言する。

すると、跡継ぎの三男・榮三郎(吉田八起)も
天皇様も新政府も江戸(東京)に移ってしまい
このまま何もかも江戸に取られてしまったら
たまったもんではない。

このころ江戸は東京と名を変え
急速に近代化と発展を遂げていました。

これまでずっと都は京都にあったため
なんだか奪われたように気持ちになって
面白くのない加野屋の面々。

「この加野屋が上方(かみがた)の
意地をみせたりましょ!」(榮三郎)

その榮三郎の力強い言葉に亀助は意気をあげる。

このままではいけないと主人・正吉は
先日耳にしたあさの提案「新しい商い」を
はじめたいと口にする。

新次郎(玉木宏)が、
ふと(三味線仲間の友人)山屋から
新しい商いの話をすすめられたことを話し出す。

それは「石炭の商い」

まだ石炭の価値を知らない加野屋の面々は
「石」なんて誰が買うのかと笑い話になるが
正吉はあさの考えを聞きたいと話しをふるも
今のあさには姉・はつのことしか
考えられなくなっていました。

山王寺屋が夜逃げしてからというもの
あさは毎日うめと一緒に大阪中を
駆けずり回って姉のはつを探しましたが
はつもはつの家族も一向に見つかりませんでした。

そして、

あさはやっと町人から身なりのいい女性たちが
「谷町」で身を寄せているという話を聞きつけ
さっそく谷町へと足を運ぶ。

しかし、そこは決して環境の良いとはいえない場所で
さすがのあさも顔をしかめてしまう。

こんな場所にはつがいるはずがないと
うめと話しながらあさたちが長屋を歩いていると
そこにひとりの若い女性が水を汲んで歩いてくる。

その女性は姉・はつでした。

はつは古ぼけた着物を身につけ、
髪の毛もけば立っていて
以前の美しさは影を潜めていました。

あさの姿を見たはつは驚き慌てて
家へ駆けこむと戸を閉めてしまい
何度あさが呼びかけても返事も
戸が開くこともありませんでした。

『あさが来た』第5週25話「お姉ちゃんに笑顔を」解説

今回は「上方(かみがた)」「谷町」「石炭」について解説していきたいと思います。

上方(かみがた)」とは
都のある一帯をさす言葉で、一般的には京都および
その付近(京都・大阪・近畿地方)のことを言います。

大阪・谷町」とは
一般的に「タニマチ」といわれると
大相撲力士の後援者やひいき筋のことと
思う方もいらっしゃるかと思いますが
実際は大阪の地名です。

明治の初めごろに谷町で開業していた医師が
それは無類の相撲好きで、近所にある力士たちが
診察に訪れても治療費を一切受け取らなかったことが
ひいき筋「タニマチ」の語源とされています。

その当時の町の様子としては
南北でずいぶん住人の層が変わり
北は武家屋敷が立ち並び
南は町人や貧しい人々が住むような
そんな住み分けだったようです。

現在では官公庁街や司法書士事務所などが軒を連ね、
大阪法務局と大阪府議会会館や寺院が多い
緑豊かで閑静なビジネス街となっています。

石炭」とは
簡単に説明すると植物(木など)の化石です。

この石炭は古くから燃料として使われ
日本の工業発展に大きく影響を与えた鉱物です。

20世紀初頭までは「黒いダイヤ」や
「黒の宝石」呼ばれて珍重されていました。

当時の日本ではまだ未知の石でしたが
これから日本は、産業革命を終えた
イギリスとの貿易がはじまり近代化と
工業の発展にこの石炭を多用する時代へと
入っていきます。

【明治元年の出来事一覧】→コチラ 第23話 「若奥さんの底力」解説へ

『あさが来た』第5週25話「お姉ちゃんに笑顔を」感想

今回は、明暗がはっきりな 回でしたね。

とうとう山王寺屋が倒産してしまいました。

使用人が減っていた様子から
商いがうまくいってないんだろうなとは
予想はしていましたが
まさか夜逃げするほどまで
行き詰っていたとは驚きましたね。

そして、白蛇・惣兵衛に本来はつは
加野屋に嫁ぐはずだったと告げられた
はつの心中が気になりますね。

今日の名言は
榮三郎くんの
この加野屋が上方(かみがた)の
意地をみせたりましょ!」です。

政治も経済も拠点がいきなり東京に移ってしまい
しかもその政府のせいで商いも苦境に追いやられ
大阪の人が東京を毛嫌いする理由は
この出来事からきてるのかな?と
すこし理由が判明した?ような気がしました。

山王寺屋は倒産し一家で夜逃げをするはめになった
はつはあさが尋ねてきても顔を合わせようとしません。
姉妹は一体どうなってしまうのか!?

次回、『あさが来た』第26話「お姉ちゃんに笑顔を」お楽しみに!!!

『あさが来た』もくじ あらすじと解説・感想

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