『あさが来た』30話「五代才助横浜へ赴任。はつの妊娠と惣兵衛の失踪。」

加野屋の主人・正吉とあさ(波瑠)は五代才助(ディーン・フジオカ)へ
カンパニー設立の手伝いをさせてほしいと申し出ると、大阪商人たちは団結。
日増しに高鳴る石炭への好奇心から、あさは単身九州へ行きたいと言いだし
新次郎(玉木宏)はそんなあさに猛反対する。
一方、はつ(宮崎あおい)の妊娠が発覚したその日、夫の惣兵衛(柄本佑)が
突然姿を消してしまうのだった。。。

『あさが来た』第5週30話「お姉ちゃんに笑顔を」あらすじ

五代才助(ディーン・フジオカ)の
執務室にやってきた正吉(近藤正臣)と
あさ(波瑠)が「カッパ」と言い続けていたのは
新しい商い組織カンパニー(会社)のことでした。

正吉は才助にカンパニー作りの手伝いを
ぜひさせてほしいと伝えに来たのです。

その申し出に大喜びした才助が
感謝の言葉を述べ握手を求めると
正吉は意味はわからないなりに
黙って才助の手を握り返すのでした。

才助は旦那衆を集め
カンパニーとは何かついて説明し
通商会社を作ることを提案する。

カンパニー作りが異国の商人との
対等な取引するための提案であることを
ここでようやく正吉や旦那衆も理解し
その重要性に気づくのでした。

そして、かならず政府も援助すると
才助は旦那衆の前で約束します。

加野屋が賛同したことで
多くの大阪商人たちも
続いて協力を申し出ました。

一方そのころはつ(宮崎あおい)は
先日ケガをした腕を気にしていると
そこへ夫・惣兵衛(柄本佑)が
棒振り(ぼてふり)から戻ってくる。

惣兵衛ははつのケガを気にかけ
町でわずかばかりの金から
はつへ薬を買ってきたのでした。

そしてその塗り薬を優しく
はつの傷口に塗りながら
自分のせいで申し訳なかったと
惣兵衛が反省を口にする。

そんな惣兵衛にはつは
首を振って否定すると
自分を気づかってくれる
惣兵衛の優しさを
嬉しく思うのでした。

一方あさはといえば。。。

西洋の船が石炭で動くことや
外国では石炭の需要が高いことなど
いろいろ知るほどに
石炭とは一体どんな石なのか
あさの石炭への思いは
日増しに膨らんでいました。

今日もはつのもとへやってきたあさとうめ(友近)、
あさは畑仕事を手伝いながら炭鉱経営の話しと
そのことを周りから反対されていることを
はつへと相談する。

無謀なあさの行動を止めてほしいと
うめははつに頼むが

「だ~れも あさを止める手だてはあらへん」(はつ)

と、はつは仕方がないというように笑うと
それでも、夫・新次郎(玉木宏)の意見だけは
しかりと聞くようにとはつはあさに助言する。

炭鉱のことを新次郎が教えてくれたもの
あさは新次郎のことを遊んでばかりと言うが
謡い(うたい)やお茶をたしなむ旦那衆は
大き商いをしている人ばかりで、
その場を通して重大な情報を
耳にすることもあるとはつは話す。

そんなこともあるのかと感心するあさ。

そしてはつは、今まで自分は結婚と言うものは
お家に嫁ぐことだと思っていたが
そのお家という大きな縛りがなくなった今は、
一番大切にしなければ行けないのは
旦那・惣兵衛だということを知ったと話す。

そのときはまだ、あさもはつも気づいていませんでした。

惣兵衛の心の奥に潜む闇の存在に。。。

その夜の夕飯時、
あさは家を明けたいと家族へ打ち明けます。

突然のことに驚いた姑・よの(風吹ジュン)は
旅行かどこかへでかけるのかとあさへ問いかける。

するととあさは九州へ行こうと思っていると
素直に答える。

その言葉に義父の正吉(近藤正臣)も驚くが
あさはどう考えても炭鉱以上に
ピンとくる商売が考えつかない。

それなら「論より証拠」
一度、石炭や炭鉱というものを
見に行ったほうが話が早いと
あさは話すのでした。

そんなあさに正吉は九州へ行くというのは
京都や奈良へ行くのとは訳が違うと
一旦はあさと引き留めるがあさは

「加野屋は儲けなあきまへん」(あさ)

そういうと、

この家をもう一度もり立てなければ
自分はこの家の嫁としての役割が
果たせない気がすると強く進言すると

「あかん!」(新次郎)

炭鉱に行くことのどこが嫁の役目なのか
そんな危ないところにあさを行かせられないと
新次郎が反対するにも関わらずあさは
「大丈夫」と聞こうとしない。

今のあさは商いの勉強が楽しくて仕方がなく
まだ誰もしていない新しい商いをすることも
考えただけでも心が踊り

「ぎょうさん(たくさん)儲けて、
もう一度、この加野屋に
「浪速一ののれん」を取り戻したいだす!」(あさ)

そう意気込むあさに対し新次郎は
持っていた茶碗を激しく膳に置き

「あかんもんは あかん!
あさはまるで商いのアホや。」(新次郎)

と、あさを叱りつけるが

「この加野屋を
旦那さまの代で潰したないんだす!」(あさ)

とあさも一向に退こうとしない。

そんななか、義父の正吉が
「あさちゃんならできるかもしれへんなぁ」と
あさに賛同するようなことを口にするので
新次郎は目を見張ってしまう。

何がなんでも許さないという
新次郎とどう意見の姑のよの。

「どうしても九州へ行く言うんやったら
新次郎と離縁(りえん)したからにしなはれ。」(よの)

「お母ちゃん ええこと言うた!」(新次郎)

とにかく今回だけは何がなんでも許さないと
新次郎はあさの九州の炭坑行きを珍しく猛反対するのでした。

そして翌朝、あさは。。。

五代才助の執務室の前へとやってきたあさはそこで
才助の大きな声を耳にして驚く。

「そげな願いは聞くことはでけん!
(そんな頼みは聞くことができない)

こん おいに 横浜へ行けちな?
(この俺に横浜へ行けと言うのか)」(才助)

その時、
五代才助は政府から大阪の職から解き
横浜の会計権判事(かいけいごんのうはんじ)に
任ずると言う異動を命じられていたのでした。

「横浜へ来て新しい日本のため尽くせ」という
大久保利通(柏原 収史)の伝言に
どこか納得のできない才助は
日本のためにこの大阪を育てるのではないのか!
これ以上何もかも東京に集めてはいけない
日本のためにはもう1つも2つも大きな都市が必要だ
そのための計画が今ようやく動き始めたところなのにと
憤慨する才助は執務室から飛び出していってしまう。

その後、和気あいあいと旦那衆が集まり
カンパニー作りの話し合いがはじまろうとしていたが
才助の晴れない表情に周りは困惑する。

そんな才助にあさは五代才助という人物は
大阪にとってなくてはならない人ですと口を開く。

たしかに横浜のことも大事ですが
西洋や商売に詳しい五代を置いて
大阪を導いてくれる人物はいない

「どうか大阪に帰ってきておくれやす」(あさ)

五代才助が大阪からいなくなると聞いた旦那衆は
「政府の者でこの大阪のことを
考えてくれてはんのは五代さまだけや!」
旦那衆は口々に五代への期待感を口する。

そんな周囲の言葉に感動した才助は
その場の全員に感謝の気持ちを伝え

「この五代才助、
きっと大阪のために帰ってきます!」(才助)

と、力強く約束するのでした。

その五代才助の言葉に旦那衆も「船場締め」で
横浜行きへのエールを送るのでした。

「お手を拝借! 打ちましょ。パンパン(拍手)
もひとつせ。パンパン(拍手)
祝うて三度。パパパン(拍手)
めでたいな。パンパン(拍手)
ほんぎまり。パンパン(拍手)」

そんな寄合いの光景をなぜか珍しく
寄合所に足を運んでいた新次郎が
廊下から見つめていたのでした。

一方そのころ、はつ(宮崎あおい)は
何をするにも体調がかんばしくなく
食事の支度途中に座り込んでしまう。

このところ胸がムカつくというはつを
病気かと心配する栄達(辰巳琢郎)でしたが
その様子を見ていた菊(萬田久子)は
なにかを感じたようにはつへ駆け寄ると
はつの顔を見た菊はフフフと失笑すると

「ややこや。
ややこができましたんや。」(菊)

菊の言葉に驚くはつと栄達。

はつは思わず外へと飛び出していき
そんなはつの背中を見送る栄達も
安堵したかのようにハハハと笑うと、

「なんで今ごろ。。。
跡継ぐもんもあらへんのになぁ」(栄達)

そう言いながらもとても嬉しそうに笑う栄達です。

外へ出たはつは夫の惣兵衛を探していると
そこへあさがやってくる。

はつはあさとふたりで惣兵衛を探していると
川辺で惣兵衛の天秤棒(てんびんぼう)をみつけるはつ。

そこにはわずかに売れ残った野菜とともに
天秤棒が打ち捨てられていた。

なんと、この日から惣兵衛は
はつのもとから姿を消してしまったのでした。

『あさが来た』第5週30話「お姉ちゃんに笑顔を」解説

今回は「会計権判事(かいけいごんのうはんじ)」「船場締め(せんばじめ)
あさとうめが植えていた野菜」「離縁(りえん)
新次郎が寄合いに来ていた理由」について解説していきたいと思います。

会計権判事(かいけいごんのうはんじ)
新政府立ち上げ時の会計科(会計局)と言うのは
いまで言う財務省のことをいいます。

政府の新しくできた機関の先だっての長として
会計や交易に詳しい五代才助が任命されました。

船場締め(せんばじめ)」とは
大阪で使われる手締めのひとつです。

大阪締めとは
大阪締めは大阪を中心に行われている手締めですが
大阪では「手打ち」ともいいます。

大阪締めの一般的な流れ
「打ちまひょ(打ちましょっ)」 パンパン
「もひとつせ」 パンパン
「祝うて三度」 パパン パン(天満・船場周辺)、パン パン パン(生玉神社周辺)、パンパン パン(平野郷)
「おめでとうございますー」(拍手)
合いの手の言葉や手の叩き方は地域、
行事によっても多少異なります。

手締め(てじめ)とは
物事が無事に終わったことを祝って、
関係者で掛け声とともに手を打つ
日本の風習の一つです。

お祭りや冠婚葬祭などの式典、
商談や株主総会などの打ち上げなどで行われます。

あさとうめが植えていた野菜」は
大阪港開港(6月)が間近という話しもあったので
季節は初夏あたりかと思われます。
そして、ツル上の苗と葉っぱの形状からあさとうめが
はつの畑で植えていたのは「さつまいも」ということがわかります。

離縁(りえん)」とは
夫婦や養子関係の縁を解消すること。

ここでは離婚をさします。

新次郎が寄合いに来ていた理由」は
あさに行かせたくない理由は
この言葉と寄合所に姿を見せていたことから
これ以上あさに無茶なことをさせたくない
危険な目にあわないようにと
もしかすると、自身が九州へ向かうか
もしくは商いに身を投じようとしているのかもしれませんね。

【五代才助と大阪の関わり】→コチラ 第4話 「小さな許婚(いいなずけ)」解説へ

『あさが来た』第5週30話「お姉ちゃんに笑顔を」感想

今回は、はつはどこまで波乱の人生を歩むのかな 回でしたね。

はじめは嫌々結婚し
山王寺屋へ嫁いでからも
姑の菊にキツく当たられ
あげく山王寺屋は倒産
お嬢さま、若奥さま生活から一転
住むところもままならない
百姓の手伝いをしながらの間借り生活。

ようやくいろいろなことから解放され
苦しいながらも小さな幸せを
つかんだように思たころ
念願の子供を授かったその日に夫が失踪。

なんて不運続きの人生なのでしょうか。。。

はつの幸せは一体いつやってくるのか
心配でなりません。

今日の名言は
よのさんの
どうしても九州へ行く言うんやったら
新次郎と離縁(りえん)したからにしなはれ。」です。
いかに本当にあさのことを心配し反対しているのかが
一目瞭然な言葉でしたね。

はつの妊娠に惣兵衛の失踪。
五代才助の横浜赴任で
大阪カンパニーの設立は?
新次郎の猛反対であさの炭鉱商いは?

次回、『あさが来た』第31話「妻の決心、夫の決意」お楽しみに!!!

『あさが来た』もくじ あらすじと解説・感想

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