『あさが来た』36話「櫛田そえとあさは似た者同士?あさ炭鉱を買う。」

突然加野屋へやって来た炭鉱の持ち主・櫛田そえ(木村佳乃)は
あさ(波瑠)の炭鉱への熱意を知り、あさへ炭鉱を売ることを決める。
新次郎(玉木宏)や加野屋の面々に見送られ、あさは九州へ向かうが
そんなあさを追ってきた五代友厚(ディーン・フジオカ)は
「お守り」と言ってある物を手渡す。。。

『あさが来た』第6週36話「妻の決心、夫の決意」あらすじ

あさ(波瑠)と新次郎(玉木宏)が外から戻ってくると、
炭鉱の持ち主の後妻で現山の持ち主・櫛田そえ(木村佳乃)が待ってた。

九州から大阪へ所用でやって来ていたそえは、
あさからの手紙を見て加野屋へ立ち寄ったのだという。

雨で濡れたままのあさと新次郎に主人の正吉(近藤正臣)は
客人の前で失礼だからとふたりに着替えるようにいうと
あさは慌てて大股で駆け出してく。

その姿を見たそよは楽しげに笑っている。

着替えて戻って来たあさは炭鉱買取りについての書いた
証文(しょうもん)をそえへ手渡す。

そこには炭鉱買取りにあたって加野屋の資金不足を正直に伝えると
代金のうち半分はその場で支払い残りの金銀は三度に分割して
10年以内に支払うといった内容のものでした。

あさがそえに鉱山の支払いについて商談をはじめようとすると
加野屋の主人・正吉が突然、ふたりの話に割ってはいると
土佐堀の一角にある米蔵をすべて手放すと話し出す。

炭鉱購入のために土地を手放すと言い出した正吉を
あさは自分のわがままにそこまではと止めようとするが

「私なぁ あんたを信じでいく
そう決めましたんや」(正吉)

そう言うと、正吉はそれでも足りない分は
この嫁・あさが炭鉱経営を成功させて
その利ざやで全額を支払うという相談を
そよに持ちかける。

そんな正吉の思いに応えるようにあさも
炭鉱はこれからの日本を支える大切な事業だと
強いまなざしでそよに向かうと

「きっと櫛田(くしだ)様のお山を
宝の山にしてみせます!」(あさ)

主人・正吉とあさの志と熱意を聞いたそえは
この山は亡き夫が大事に育ててきたもので
今後も大切に扱ってくれる熱意のある人に
譲ろうと考えていたと話す。

「今日お会いして 心決めました!」(そえ)

そえは笑顔で代金は分割でもかまわないので
炭鉱は加野屋へ譲ると答えるのでした。

商談がまるく納まり大喜びするあさと正吉。

そして正吉はさきほど決まった内容で
証文を書き換えてくるといって席を立ちます。

ようやく新しい商いが進められることに
さらに意欲を燃やすあさにそえは

「あささん。
ああた 分かっとると?
(あなた 分かっているの?)
自分が恵まれとるっちゅうことを」(そえ)

突然話しかけられたあさがキョトンとしていると
そえはつづけて。。。

女であるあさのことをこれだけ信じて
商売のことを任せてもらえるということは
めったにあることではないと話す。

近いうちに女性がアメリカに留学するという話も出ていて
時代はどんどん変わっている。

これからの日本女性はあさのように家にこもるだけではなく
外で活躍できるようになるかもしれないとそえは嬉しそうに話すのでした。

女性が外国で学問を学び
外で活躍できる時代がやってくるかもしれない。

そのそえの言葉に胸を熱くするあさ。

商談も無事に終わり、
そえが加野屋をあとにします。

車(人力車)に乗る直前そえは新次郎に
さきほどはあさのことを見て笑ってしまったことを謝罪すると
じつはそえ自信もむかし夫に「大股で歩いたらいけん」と
よく怒られていたことを思い出してしまったのだと話す。

「はぁ。。。。っと、いうことは
わての嫁も いつかあなた様みたいな淑女に
なれるかもわからへんいうことだすな?」(新次郎)

新次郎がそうにこやかにいうとそえはあさを振り返り

「さあ。。。女ん人が大股で歩き続けるのは
難しいことですき。。。」(そえ)

そういうと、そえと新次郎はあさをじっと見つめるのでした。

見つめられるあさは何が何やらわからず
キョトンとふたりを見つめかえします。

明治4年12月

ようやく炭鉱を手にいれたあさは
そえが加野屋をあとにした後、
「石炭山買渡證丈(石炭の買渡証文)」を手に

「これでもう、あさが九州行く手はずが
整ってしもうたいうことだすな」(新次郎)

炭鉱では櫛田(くしだ)が抱えていた炭鉱夫たちに
そのまま働いてもらう約束になっている。

その炭鉱夫たちに加野屋のために働いてもらえるように
しっかりと意思疎通を図らなければならないと話すあさは
九州に行かせてほしいと新次郎に頭をさげる。

半月がひと月か九州とは遠すぎるとため息をつく新次郎は

「そない寂しいこと 耐えられへん」(新次郎)

新次郎の言葉に驚くあさに新次郎はつづけて
あさと居られないのだから寂しいのは当然だろう
あさはすぐに無理をする性だから決して無理はしないこと、
ケガや病気もしてはいけないというと

「力自慢の炭鉱夫にも 色目使たらあかんで」(新次郎)

と、こ恥ずかしそうに話す。

その言葉に驚くあさに新次郎は
先日はつと惣兵衛の子・藍之助にコマを持っていった際に
「あさをあんまり泣かさんといてくなはれ」と、
はつに怒られたと話す。

「泣かされてんのは わての方や言うてんのに」(新次郎)

そう言って新次郎は笑い。

はつのことも藍之助のことも心配しなくてもいいと伝え
あさの膝をポンポンと叩き「行っといで。」と、
優しく声をかけるとあさへ向き直ると

「加野屋をよろしゅう頼む!」(新次郎)

と、あさに頭をさげるのでした。

あさは思わず新次郎に抱きつくと
かならずうまくやって帰ってくると約束する。

そんなあさに新次郎はうまくやれなくてもいい
無事に帰ってこられればそれだけでいいと
あさの肩を優しくさすると口を一文字に引き締め

「わて泣かしたら あかんで。」(新次郎)

そういうと新次郎はあさの肩を強く抱きしめるのでした。

しばらくして、あさの九州の旅のお供に
中番頭の亀助(三宅弘城)が同行することが決まり
使用人たちはその話題で盛り上がっていた。

なんで自分がこんな目に合うのかと嘆く亀助に
女中のクマ(郷原彗)がてんこ盛りの茶碗を用意してやる。

「どうぞ お気張りやす。」(クマ)

面白がるように応援するクマにふてくされる亀助。

加野屋の面々は亀助を飯のおかずにしながら大笑いするのでした。

一方、女将のよの(風吹ジュン)は主人・正吉と妾(めかけ)の話しをしていた。

新次郎が何を言おうと強引にでも妾(めかけ)を囲おうとしていたよのでしたが
頼んでいた美和(野々すみ花)には三味線の師匠はやめたくないと言われ

「それは うちの生き方とは違うてますさかい」(美和)

断られてしまっていた。

それでもよのはこの先も新次郎の妾(めかけ)を探しつづけると
諦めていない様子に正吉は肩をすくめて呆れてしまう。

そして、あさが九州に旅立つ日を迎えました。

加野屋の主人・正吉が火打ち石を打つとあさは振り返り
行ってきますと加野屋のみんなにあいさつをすると
後継ぎの榮三郎(河崎脩悟)が正吉、雁助(山内圭哉)、
新次郎と自分がしっかりと加野屋を守るので安心してほしいと
あさに凛々しく告げると

「はぁ?わてはそんなもん よう守らんで。」(新次郎)

「またお前は そないなこと言うて もう!」(正吉)

旅に出ようとするあさの前で
家を守れないと言い出す新次郎を
正吉が呆れて叱責すると
加野屋の面々から笑いがこぼれる。

あさは改めて新次郎に言葉を残そうとするが

「別れの言葉なんか 聞きとない
さっさと 行ってき。」(新次郎)

そう新次郎に笑顔で送り出され
あさはいよいよあさは九州に向けて旅立ちます。

新次郎たちに見送られ歩き出したあさと亀助でしたが
この先の不安にかられる亀助の足取りの重さとは正反対に
あさの歩みは夢と希望に満ち溢れていました。

ようようを歩き出したそんなあさを追いかけてきたのは、
五代友厚(ディーン・フジオカ)。

五代はあさに「お守りです。」と言って、
懐からピストルを取り出します。

恐れおののく亀助とあさは開いた口が塞がらない。

そんなものは頂けないと断るあさに五代は

「あんたは今から
それだけ危険な場所にいくということや」(五代)

五代の言葉にあさは衝撃を受ける。

これは自分とあさを引き合わせてくれたモノ
使わなくても「お守り」として持っていてほしいと
五代はあさに手渡すと

「あささんやったら きっとやれる!」(五代)

五代の応援を受けあさは九州へ向かいます。

大阪から船にのって九州へ渡ったあさは
そこで宮部(梶原善)という支配人を案内人に
一路炭鉱へと向かいました。

九州の山道を息かながらに歩く亀助は炭鉱の支配人・宮部源吉に
炭鉱までの距離はあとどのくらいあるのかと訊ねる。

すると宮部はまだまだまだずーっと先だと答えるので
亀吉は駕籠(カゴ)へ乗ることを拒んだあさへ苦言する。

しかしあさは駕籠(カゴ)へ使うわずかなお金も
山の支払いに回さなければならない
それに炭鉱までの道のりがどんなものなのか
歩いて確かめておきたいのだと亀吉にいう。

支配人・宮部はそんなふたりのやりとりに
このままでは夜になってしまうが
この先どうするつもりなのかと
うんざりしたように口を挟む。

するとあさは、野宿するしかないですねと
あっさり答えるので男のふたりは身動ぎ震える。

そんなふたりにあさは大丈夫だと言うと
「どないなとこで寝ても朝は来ます。」と笑い
きっと夢のようなキレイな朝焼けが見られると
嬉しそうにさっさと歩き出して行きます。

あさはこの時、まだ知りませんでした。

この先、九州の炭鉱で
どんな大変な日々があっているのかを。。。

『あさが来た』第6週36話「妻の決心、夫の決意」解説

今回は「榮三郎のちょんまげ(元服)」「鉱山の場所と広さ
火打ち石(ひうちいし)」について解説していきたいと思います。

榮三郎のちょんまげ(元服)」について
江戸や明治初期の頃まで、
数え年で12~16歳の男子が子供髪から大人髪
いわゆる「ちょんまげ」にすることを元服(げんぷく)と言い、
この髪型になることによってようやく一人前の男性として
認められるようになります。

現代の成人式のようなものですね。

 

鉱山の場所と広さ」とは
あさが手にしていた「石炭山買渡證丈(石炭の買渡証文)」に記された
炭鉱の場所は「福岡県嘉穂郡藏野村大字藏野」とありましたので
この場所は現代の福岡県嘉穂郡桂川町付近にあたります。

まず、昔使われていい広さをあらわす面積単位がこちらです。

1歩(ぶ) 1畝(せ) 1反(たん) 1町(ちょう)
1坪(3.3㎡) 30坪(99㎡) 300坪(990㎡) 3.000坪(9.900㎡)

そして、同じく証文に書かれていた炭鉱の広さの
「二百拾二町歩四反四畝拾七歩」を計算すると
637.327坪(2.106.89912㎡)数字ではわかりにくいですね

えぇっと。。。ですね。。。

 

ざっと2.106k㎡(210ヘクタール)でしょうか?

 

九州の福岡県の山地面積が2.389k㎡なので
。。。。福岡県の山ほぼ全域!!???
計算があっているか不安になるほど
想像がつかないほどのスケールの大きさでした!
間違っていたらすみません。

 

火打ち石(ひうちいし)」とは
本来、鉄製の火打金に硬い石を打ちあわせて火花をつくり
点火する「火花式発火法」に用いるマッチやライターのようなものです。
しかし、「あさが来た」の中でも登場したように旅に出る人物に打ち付ける
そういった場面を時代劇でもよく見かけますよね?

これは古来から火は清浄なものとする考えから
旅の道中の厄除けとして行ったものであるといわれていて
身を清めるまじないや、魔除けというお祓いのようなものです。

【あさと五代の出会いのエピソード】→コチラ 第1週 「小さな許婚(いいなずけ)」へ
【明治初期の九州とは】→コチラ 第31話「妻の決心、夫の決意」解説へ

『あさが来た』第6週36話「妻の決心、夫の決意」感想

今回は、美和さんは謎の女性ですねな 回でしたね。

新次郎さんの想いを寄せているはずの美和さんでしたが
女将のよのさんからの申し出を断ってしまいました。

三味線を続けたいという思いもあったようですが
もしかすると、新次郎が妾(めかけ)を望んでいないことを
「あのとき亀助から聞いていた」のかもしれませんね。

自ら身を退いたのだと私は思います。

どこか美和さんの生き方が粋なように見えた
そんな回でもありあましたね。

そして、五代さんの行動もなかなか驚きました。

今日の名言は
新次郎さんの 「わて泣かしたら あかんで。」でしょうか?
そえさんの 「女ん人が大股で歩き続けるのは難しいことですき。」も
なかなか深い言葉かとも思ったのですが。。。

まぁ、両方ということで!

いよいよあさと荒くれ者の炭鉱夫たちとのお話がはじまります。
あさはどうやって炭鉱夫たちと絆を結んでいくのでしょうか!!?

次回、『あさが来た』第37話「だんな様の秘密」お楽しみに!!!

『あさが来た』もくじ あらすじと解説・感想

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