『あさが来た』37話「あさと炭鉱夫たちとの対面。寺町で惣兵衛見つかる?」

ようやくあさ(波瑠)と亀助(三宅弘城)が九州の炭鉱にたどり着くも
そこには働く炭鉱夫たちの姿はどこにもなく、炭鉱は静まりかえっていた。
そんな状況に納得できないあさは、炭鉱夫たちの親分・治郎作(山崎銀之丞)に
まじめに働くように必死に説得するも一向に聞き入れてもらえずにいた。
一方大阪では、正吉(近藤正臣)と五代友厚(ディーン・フジオカ)が
ある噂を耳にして驚愕する。。。

『あさが来た』第7週37話「だんな様の秘密」あらすじ

あさ(波瑠)たち一行は、急な山道を延々と登り、
とうとう炭鉱に到着しました。

加野屋の手拭いと風呂敷を身につけ蔵野炭鉱へとやっていたあさ。

しかし、やっとの思いでたどり着いた炭鉱は
人の姿は見当たらず静まりかえっていた。

あまりの静けさに炭鉱は休みなのかと
宮部源吉(梶原善)に訊ねるが
宮部は連日あさの強行に付き合わされ、
歩き疲れたと言ってまともに取りあう様子がない。

宮部の態度に亀助は加野屋の若奥さんに対して
なんて失礼なのかと眉を潜める亀助(三宅弘城)。

あさは、加野屋の文字の入った手拭いを見つめると
自分を含め加野屋全員が一緒についている
この手拭いと風呂敷を加野屋ののれんだと思い
頑張ってきてほしいと送り出してくれた
主人・正吉(近藤正臣)の言葉を思い出す。

「戦わなあかんのや 今のうちは 加野屋の代表や」(あさ)

そう意気込むと、あさは宮部に向き直り
宮部もこの山の支配人なら一日山を止めるだけで
どれだけの損失が出るのか分かっているはず
この現状の理由を宮部に訊ねても歯切れの悪く様子に
あさは自分は白黒はっきりしないと気がすまへん性分だというと

「もっとよう分かるように話しておくれやす!」(あさ)

と、あさに詰め寄られた宮部は仕方がないと言うふうに
重い口をひらく。

「か、加野屋の。。。旦那さんが来なさるならよかけんど。。。
奥さんじゃあ鉱夫どもに示しがつかんたい。」(宮部)

あさのような若奥さまが炭鉱を仕切るなんて土台ムリな話し、
だれも言うことなんて聞くわけがないと話す宮部。

やっぱりそういうことかと、あさはムスッとそう言うと
それが宮部の本心なのだと知ると不快感を見せ

「ようわかりました。
長い道中ご苦労さんはん。
あくびするなり 寝るなり
ゆっくり休んどくなはれ」(あさ)

と、宮部を見限ったようにあさは言い放つと
鉱夫たちの飯場へ向かうと部屋の中からは
たくさんの人の声が聞こえる。

「すんまへ~ん!
親分さんいてはりますやろか?」(あさ)

「親分さん!?」(亀助)

親分とはどういうことなのかと不思議そうに聞きかえす亀助にあさは
納屋頭(なやがしら)について説明してみせる。

炭鉱夫を集めたり、炭鉱夫の生活やいろいろな世話をする人のことを
納屋頭(なやがしら)と言い、その納屋頭(なやがしら)をまとめる人を
「親分」を呼ぶのだと話す。

中に人がいると知ったあさが中の炭鉱夫たちへ向けて話しかけるが
だれもあさの問いかけに応える様子がない。

まったく中からの返事がないのであさは更に大きな声で呼び掛け
戸を叩いたり、押したり引いたりしていると。。。

ガタン!!!!

あさがあまりにも乱暴に戸を開けようとするので
飯場の戸が勢いよく外れてしまう。

中にはたくさんのかごに入った小鳥たちに囲まれて
真っ黒い顔をした屈強な炭鉱夫たちが
あぐらをかいて食事をしてるところでした。

突然、ぶしつけに入ってきた訪問者に
炭鉱夫たちは敵意を持った眼差しを向けます。

あさがあらためて加野屋の代表としてやってきたあいさつをすると
炭鉱夫のひとりがそんなにくどくど言わなくても知っている!と怒鳴りつける。
あれ?知っていたのかとあさは笑顔で語りかけると

「人があいさつしてますのに
そないな返事しかでけへんって
鉱夫さんは思ってたよりずっと
礼儀知らずのお人だすなぁ」(あさ)

と、あさも一歩も引かない。

「何かぁ!?あぁ!?くらすぞ!
(なんだと!?殴られたいのか)」(炭鉱夫)

そんなあさに鉱夫たちはあさに詰め寄ると
と、声を荒げる。

すると、そこへその奥から親分と思われる男が炭鉱夫たちに
大阪から加野屋の若奥さんがあいさつに来ている
奥の部屋で寝ている鉱夫たちを起こしてくるように指示を出すと
その親分の治郎作(山崎銀之丞)はあさの前へ無言で立つ。

治郎作にあいさつをしたあさは、石炭の商いをすると決めてから
ここに来るまでずいぶん楽しみにしてきやって来たのだが
いざ炭鉱にやってきたらだれも働いていないという有様、
この様子はどうしたことなのかとあさは治郎作へ問いかける。

すると治郎作は、山の持ち主が変わるというのに
自分たち炭鉱夫にはあいさつひとつもなかった
そんな、この先どうなるかもかわらない状況で
働くことなどできないと話す。

治郎作の言葉にあさは、それなら心配ないと笑顔で答えると
引き続き加野屋が炭鉱夫たちを雇う形で賃金を払い
これまでと同様、もしくはこれまで以上に手厚く面倒をみると話し
治郎作にこれからもよろしく頼みたいを頭をさげる。

しかし

「うまいこつ言いよるが、
所詮あんたたち加野屋が金ほしいだけやないとか!?」

「おなごと話す気はなか!帰れ!」

炭鉱夫たちの罵声に納得いかないあさは

「何でです?なんでおなごとは話しせぇへんのだす?
炭鉱についてはうちが一切、加野屋の主から任されてますのや!
炭鉱やりたい言い出したのはうちだすさかい。」(あさ)

その言葉に治郎作は一瞬驚いたようにあさへ目をやる。

しかし、炭鉱夫たちは女に一切を任せるとは加野屋の旦那連中は
みんなおなご任せの腰抜けかとあざ笑う。

当時炭鉱で働く炭鉱夫たちは
厳しい仕事を引き受け命がけで生きることに
そして、九州男児であることに強い誇りを持っていました。

そのころ大阪では

「ちょっとお顔を見るくらいなら、よろしいわな?」(よの)

加野屋の女将・よの(風吹ジュン)が
女中のかの(楠見薫)と店から出てくると
なにやらふたりで楽しそうにどこかへと出かけていく。

そのころ、五代友厚(ディーン・フジオカ)のいる寄合所では
加野屋の主人・正吉と山屋与平(南条好輝)と3人が笑い話をしている。

「急に家の中がシーンとしてしまいましてなぁ
落ちつかへんいうて 家内は相撲見物に行ってしましましたわ」(正吉)

「いやぁ~ここかて加野屋の若奥さんがいてはらへんあかったら
静かなもんだっせぇ?」(山屋)

そんなふたりの間で楽しそうに話を聞いていた五代は
あさの義父・正吉にその後、あさからなにか便りはあったかと訊ねる。

すると。。。

「いや、まだ何もあらしませんわ」(新次郎)

と、珍しく寄合所に姿を見せる新次郎(玉木宏)に山屋が驚いていると

「嫁さんがどないな苦労してるかわからへんいうのに
自分だけふらふら遊ぶ気ぃしませんがな。」(新次郎)

とは言ったものの新次郎は、
やはりここは「お金の話」ばかりでしんどいと笑うと
ふらふらと巾着を振り回しながらどこかへと出て行ってしまう。

それでこそ新次郎だと笑う山屋の前で父・正吉はため息を漏らす。

あさが九州へ行って無事かどうかもまだわからず、
大変なときにでものんきな新次郎の態度を見てあさの言葉を思い出す。

「男前の力自慢より
ふらふらしてるか弱い旦那さまが好きなんだす!」(あさ)

「 I don’t understand. why him.
(なぜあんな男のことを。。。)」

と憤りを感じる五代です。

そんななか、寄合所へ手代の弥七が正吉を迎えにやってくると
正吉へ「寺町で恐ろしいものを見た」というある噂が立っていると話し出すが
そんな弥七もよくよく話を聞いてみたらそれはお化けでもなんでもなく、
ある人物の話でがっかりしたと言いながら

「山王寺屋の若旦那さんのことを
おばけみたいに言うたらあきまへん」(弥七)

惣兵衛(柄本佑)を見たという話に驚く正吉と五代です。

一方、惣兵衛の帰りを待つはつ(宮崎あおい)は
はつと惣兵衛の子ども藍之助が大きく育ち
藍之助をあやす栄達(辰巳琢郎)も面立ちが
惣兵衛に似てきたと微笑ましく目を細めてはいたが、
惣兵衛の安否をずっと気にかけていた。

惣兵衛が失踪してから2年以上が経っていました。

そのころあさは、どうすれば治郎作たちがまた
石炭を掘ってくれうようになるのかと
痛む足をさすりながら必死に考えていた。

そんなところへ、あさの血マメだらけの足を見た
親方の妻・カズ(富田靖子)が何も知らずにやってきて
あさに話かけてくる。

足を気遣ってくれるカズにあさは、
数日歩いただけでこんなになってしまうのは
普段から怠けていた証拠だと反省すると
そんな屈託のないあさに笑みがこぼれるカズ。

そこへ飯場から出てきた治郎作に石炭を掘るように
あさは必死に説得するも次郎作は聞き入れず
「筋の通らないことは何があってもしない!」と言い
これからも石炭を掘る気はないとあさに告げる。

「うちは筋通してこの山を買うてます。
それをうちがおなごやからとか
けったいなへ理屈つけて
堂々と怠けはんのはやめてもらいとおます!」(あさ)

そんなあさに次郎作はこの山の持ち主になるというなら
炭鉱夫たちに「実のあるところを見せろ」とあさに詰め寄る。

さて、あさは炭鉱の男たちに認めてもらえるのでしょうか?

『あさが来た』第7週37話「だんな様の秘密」解説

今回は「納屋頭(なやがしら)」「飯場(はんば)
実(じつ)のあるところ」「炭鉱(炭坑)の小鳥」について解説していきたいと思います。

納屋頭(なやがしら)」とは
明治に炭鉱などでみられた労務管理する役名です。
明治の初めの炭鉱労働者は元囚人など粗野な男たちが
労働の主体となっていたため、こうした労働者の管理を
炭鉱経営者は直接行わずに納屋頭(なやがしら)という役を設け、
その人物に労働者の雇入れや管理を一手に任せていました。

飯場(はんば)」とは
鉱山労働者(炭鉱夫)や土木工事や建築現場などに置かれる
労働者用の食堂および宿泊施設のことをいいます。

実(じつ)のあるところ」とは
うそ偽りのないこと。 誠実な気持ちのことをさします。

炭鉱(炭坑)の小鳥」について
なぜ、炭鉱夫たちの飯場に
たくさんの小鳥たちが飼われていたのかというと
炭鉱では落盤事故や水没事故以外にも、有毒ガスや粉塵(ふんじん)、
ガスによる事故などの危険がたくさん待ち受けていました。

そんな坑内で働く炭鉱夫たちは、常に目に見えない危険と
となり合わせの現場で働いていたためガス発生の予知の為に
それらに敏感なカナリア、メジロ、ジュウシマツといった小鳥を連れて
坑内へ入って作業をしていました。

ちなみに映像で出ていた、目の周りの白い小鳥は「メジロ」です。

【筑前の石炭とは】→コチラ 第29話「お姉ちゃんに笑顔を」解説へ

『あさが来た』第7週37話「だんな様の秘密」感想

今回は、あさちゃんどうなってしまうの!?な 回でしたね。

念願の炭鉱について早々問題山積みのあさですが
この先一体どうなってしまうのでしょうか?
あさの寝るところがあるのかが心配です。

そして、私としてはよのさんの
「ちょっとお顔を見るくらいなら、よろしいわな?」が気になります。

もしかして相撲見物ではなくて
お妾(めかけ)さん探しに出ていませんか?

そう思うってしまうののは私だけでしょうか?

今日の名言は
あさちゃんの
うちは筋通してこの山を買うてます。
それをうちがおなごやからとかけったいなへ理屈つけて
堂々と怠けはんのはやめてもらいとおます!」です。
筋の通ったことを言っているだけなのに通らないのは時代のせいか。。。

「実のあるところを見せろ」という炭鉱夫たちの親分・治郎作。
あさは一体なにをさせられるのでしょうか!?

次回、『あさが来た』第38話「だんな様の秘密」お楽しみに!!!

『あさが来た』もくじ あらすじと解説・感想

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