『あさが来た』38話「届かないあさの言葉。はつと一緒住みたいよのと菊の気持ち」

あさ(波瑠)は集まった炭鉱夫たちを前に、石炭にかける「実をみせようと」
必死に説得するが、炭鉱夫たちの心にはまったく届かなかった。一方、
大阪のはつ(宮崎あおい)のもとに、加野屋の女将・よの(風吹ジュン)が
訪ねてやってくるとよのははつと息子の藍之助とともに加野屋で一緒に
住まないかと提案し、はつの姑・菊(萬田久子)は。。。

『あさが来た』第7週38話「だんな様の秘密」あらすじ

山の持ち主になるというのなら
「炭鉱夫たちに実のあるところを見せろ」
そう話す治郎作(山崎銀之丞)の呼び掛けで
あさ(波瑠)は集まった炭鉱夫たちを前にする。

さて、あさの言葉は炭鉱夫たちに届くのでしょうか?

あさは、炭鉱夫たちを前に丁寧にあいさつをすると
石炭が世の中でどのように使われているのか、
これからの日本にどれだけ重要ものなのか、
いつものように明るく楽しく軽快に石炭の必要性や
炭鉱ではたらくことの意義について話していくが
炭鉱夫たちはあさの言葉をあざわらっていた。

「アカン、若奥さんの陽気なお人柄が裏目に出てるがな」(亀助)

亀助(三宅弘城)の心配は的中し、
炭鉱夫たちはさらにあさに突っかかっていく
「大阪のごうつくばりの両替屋の石炭で金儲けしたいだけ」
「腰抜けの旦那たちを連れてこい」とヤジを飛ばし
あさの言葉をまったく聞き入れようとしない炭鉱夫たち。

「うちのことやったらまだしも
お父さまや旦那さまの悪口は
金輪際(こんりんざい)許しまへん!」(あさ)

新次郎(玉木宏)や正吉(近藤正臣)に対する数々の悪口に
あさは憤慨し炭鉱夫たちの前へ進み出て
加野屋の旦那衆の悪口をやめるようにいうと

「こないだれの得にもならへん話しダラダラして
なんちゅう時間のムダだす!
一日でも石炭を掘んの休んだら
うちかて あんたたちかて
大損するのがわかりまへんのか!?」(あさ)

「許しませんと何か?」「何か文句でもあるのか」と
炭鉱夫たちとにらみ合いになり一触即発。

そこへ亀助が割って入り慌てて遠ざけようとするが、
あさは納得がいかず炭鉱夫たちに立ち向かおうと
「嫌や!ん’’〰!!!」と亀助を跳ね除けようとする。

「あきまへん!あきまへんて!」(亀助)

「若奥さんにケガでもされたら支配人の落ち度になりますけん!」(宮部)

あさは亀助と宮部(梶原善)に引きずられるように連れていかれてしまう。

その様子をジッと親分の治郎作は見つめています。

そのころ大阪のはつ(宮崎あおい)の住む納屋では
座ってばかりの菊(萬田久子)が痛めた足に灸をすえている。

はつは自分が仕事をしている間
藍之助の子守りを頼みますと
菊に声をかけ外へ出ていく。

藍之助とふたりきりになった菊は
「あんたの子守りなんかせえへんさかいな~」
菊はまだ言葉もしゃべれない藍之助に
子どものようにいけずを言う。

継ぐはずだった山王寺屋もなくなって
父親の惣兵衛(柄本佑)もいなくなっていまったと
小さな藍之助に菊が愚痴をこぼしていると
ニコニコ笑いながら藍之助が菊へとすり寄ってくる。

「何こっち来ますの?あっち行きなはれ!あっちに。。。」(菊)

菊と藍之助がじゃれあっているとそこへ
「ごめんやす~」と、誰かが訪ねてくる。

はつのもとを訪ねてやってきたのは加野屋の女将・よの(風吹ジュン)でした。

よのが来たことを知った菊は大慌てで部屋のすみへ駆け上がると
すだれを下ろして隠れてしまう。

はつの子どもを気にいったよのは
相撲見物を取りやめて藍之助に会いに来たのでした。

よのが藍之助をあやしている様子が気になる菊と、
そんな菊の様子を気にかけるはつです。

そんなこととは露も知らないよのははつたちが物置のような
布団もない納屋に住んでいると聞いて目を見張ると

「ワラもいうんもなかなか温かいもんで」(はつ)

そう笑うはつによのはウサギや鶏ではないのだからと
ここは人の住むところではないと口にするとよのは
あらためてはつに向かい直ると

「おはつさん、知ってはるかどないかわからへんけども
あんた初めはうちの嫁になるはずやったんだす。
あの時、惣兵衛さんの母御がムリを言うて
おはつさんのことを取りはって。。。」

はつの嫁入りの真相を打ち明けるよの。

運命のいたずらでこんなことになってしまったが
それでも近頃でははつのことを自分の嫁のように思えて
心配でならないのだとよのははつに話すと

「おはつさんさえ良かったら、この子連れて
うちで暮らしてくらはったかてええさかい」(よの)

こんな貧しいところで女手ひとつで藍之助を育てるというのは
子どもにとって衛生面もそうだし経済面でも大変だというと
子どももきっと温かい布団や美味しいお菓子も食べたいに違いない
はつも真面目に考えてくれないかとよのははつに訴えかける。

するとどこからともなく「チューチュー」と音が聞こえ
キョロキョロと周りを見渡すよのとかの(楠見薫)。

「まさか。。。ねずみ?」(かの)

かのの言葉に悲鳴をあげるよのはかのとともに外へ飛び出していく。

「加野屋さま!すんまへん私ら親子は
加野屋さまに住まわせてもらう気ぃはあらしまへん。」(はつ)

はつはそういうと、よのの心遣いに感謝し
「どうぞこれからも妹をよろしゅうお願いいたします。」
そういってはつはよのへ頭をさげるのでした。

はつの言葉にショックを受けたよのは考え直してほしそうに
はつのいる納屋へ戻ろうとするが「ねずみ」がいるかもしれない
その納屋に戻ることができずに退散して行きます。

よのたちが去っていったあと、はつは納屋の中へ戻り
姑・菊によのたちが帰ったことを告げる。

「フン、こんななぁお米もあらへん小屋に
チューチュー(鳴きまね)
ねずみなんかおりますかな!」(菊)

ねずみと思われた「チューチュー」の音の源は
はつの姑の菊でした。

菊の機転に助かりましたと話すはつに菊は
本当はふたりとも加野屋でいい暮らしをしたい
そう思ったのではないと問いかける。

そんな菊にはつは「ちっとも」と笑顔で答えるので
菊は驚いたような表情ではつの顔をみる。

そして

「フンっ、私はなぁ あの暮らしに戻りたいわ」(菊)

このよのが持ってきたお菓子だって惣兵衛が幼い頃から好きで
月に3回は買っていたものだと言うと嬉しそうに菓子を頬張り
「懐かしい」といって喜ぶのでした。

そんな菊の姿に笑顔のこぼれるはつです。

一方、あさのいる九州・筑前の炭鉱はだれひとりとして働かないまま
夜をむかえようとしていました。

加野屋の風呂敷を見つめ考え込むあさ。

そのころ炭鉱夫たちは、
昼間あれだけやればあさも泣いて帰るだろうと
「いい気味だ!」飯場で飲んで食べての宴会をしてます。

飯場の外では女たちが悲しそうな呆れたような表情で
男たちの宴会を眺めている。

炭鉱夫たちがあさが音を上げて帰るだろうと盛り上がるなか
親分の治郎作だけは違っていました。

「さて、あのおなご
ほんなごて 泣いていぬるかのぅ。。。
(こんなことで 泣いて帰るだろうか。。。)」(治郎作)

そういうと治郎作はあごに手をやると厳しい顔でなにやら考え込みます。

そしてあさは、一通の文をしたためていました。

「お米を送ってください」

しばらくはここで腹をすえて炭鉱夫たちとじっくり話し合うと決意したあさ。

そんなあさに亀助は本当に帰らないのかと呆れると同時に
これ以上炭鉱夫たちともめるのはよくないのではと心配する。

そのとき

「失礼しますばい。」

そう言ってやってきたのは親分・治郎作の妻・カズ(富田靖子)でした。

先ほどは山の持ち主とは知らずに失礼したとあいさつをするカズは
あさと亀助へ握り飯を差し入れ、そんなカズの気遣いに感謝するあさ。

するとカズは急に改まって腰を下ろすと

「大きい声では言えんけど。。。
気張ってもらえんですか?」(カズ)

自分たちも石炭を掘ってもらわないと生活が困ってしまう
だけどそんなことを男たちに言っても聞いてもらえないと
カズはあさへ話す。

そんな妻・カズの思いを通りがかった治郎作は耳にする。

するとあさはカズに炭鉱についてもっと詳しく
話しが聞きたいと話しかける。

そして九州のあさに また新しい朝がやってきました。

早朝の炭鉱の中を見ようとあさは行灯「あんどん」を手に
単身炭鉱内に入って行く。

そんなあさを偶然通りがかった治郎作が見つけて目を見張ります。

「何しよるとか!こらぁあああ!」(治郎作)

血相をかいた治郎作は慌てて炭鉱内へ飛び込んで行くと
あさの腕を掴むと行灯の火を吹き消し炭鉱から引っ張り出すと
仁王さまのような表情であさの頬を力強く打つ。

突然のできごとに何が何やらわからず
驚くばかりのあさです。

『あさが来た』第7週38話「だんな様の秘密」解説

今回は「よのがはつを訪ねた理由」「治郎作があさを殴った理由」について
解説していきたいと思います。

よのがはつを訪ねた理由
よのがはつを訪ねた理由はおそらく藍之助に会いたい
ただそれだけではないと思います。

なぜなら、藍之助の名前を覚えていないこともそうですが
あさの姉・はつのことも実際のところあまり覚えていない?
気にかけていないところがあるからです。

妊婦のときも山王寺屋の倒産のときも
「自分の家の嫁のよう」という印象は
そんなに受けませんでしたので。。。。

もしかすると、はつが出産したことを機に
あわよくば新次郎さんのお妾(めかけ)さん?
あさが子どもを授かれないのであれば
はつに?のような考えがあったのではないかと
勝手ながらに推測していまうようなふちがありますね。

治郎作があさを殴った理由
治郎作があさを殴った理由ですが、
これでは前回の37話の解説でも少し触れた
炭鉱ならではの見えない危険が大きな理由です。

炭鉱では落石などはもちろん、地中の中に入ってしまうので
低酸素、そして有毒ガスなどが地盤から漏れ出しているという
危険性もあるのです。

そのガスが有毒なだけでなく引火性のあるものだった場合
大惨事になってしまうこともあります。

そのため、何も知らないにしても手に行灯(あんどん)を持って
勝手に炭鉱へ入ったあさのことを治郎作はしかりつけたのでした。

【炭鉱に潜む危険とは】→コチラ 第37話「だんな様の秘密」解説へ
【許婚交換とは】→コチラ 第6話「小さな許嫁(いいなずけ)」へ

『あさが来た』第7週38話「だんな様の秘密」感想

今回は、はつと菊との絆な 回でしたね。

なんだかんだ言って孫・藍之助くんと嫁・はつさんのことが
大好きな菊さんでしたね。

最近どんどん素直でない子どものように見えてきて
少しかわいく思えてきました(笑)

それより一番驚いたのは
はつさんをどうしても山王寺屋の嫁にと言っていたのが
主人・栄達さんではなくて女将・菊さんだったとは
ここ一番で驚いてしまいました。

許婚交換までして嫁に迎え入れたはつさんに
これまでの仕打ちとは。。。

やっぱりなかなかひねくれてますね(汗)

今日の名言は
はつさんの 「どうぞこれからも妹をよろしゅうお願いいたします。」です
ワラが温かいもなかなかはつさんのたくましさの出ていたセリフだったのですが
妹のあさと夫・惣兵衛さんへの想いがとても現れていたと思いました。

炭鉱夫たちの親分・治郎作を怒らせてしまったあさ
このあと炭鉱夫たちや治郎作を説得することはできるのでしょうか!?
次回、『あさが来た』第39話「だんな様の秘密」お楽しみに!!!

『あさが来た』もくじ あらすじと解説・感想

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