『あさが来た』40話「惣兵衛、はつのもとへ帰る。息子との初対面。菊にも涙。」

炭鉱夫に囲まれ揉みあいになったあさ(波瑠)の懐から落ちた風呂敷から
ドーンという大きな音が響き、興奮しきった炭鉱夫たちも、その親分の
治郎作(山崎銀之丞)までもが度肝を抜かれてしまう。
一方、はつ(宮崎あおい)はようやく夫・惣兵衛(柄本佑)を見つけだし、
家に連れ帰ることに成功する。。。

『あさが来た』第7週40話「だんな様の秘密」あらすじ

あさ(波瑠)と口論の末、興奮する炭鉱夫たちに囲まれ
揉み合いになってしまった

その時

ズドーン!!

と、大きな音が鳴り響く。

大阪を出る際に、五代友厚(ディーン・フジオカ)から
手渡された「お守り」のピストルが地面に落ちて暴発し
その音とあさのようなおなごには不似合いなものに
炭鉱夫の男たちは恐れおののいてしまう。

そんな炭鉱夫たちに向かってあさは
どんなに脅されても屈しないことを宣言し
「うちは負けしまへん」というと

「うちは何がなんでも
この炭鉱を成功させるという
不退転の気持ちで大阪から来たんだす。
この決心をわかってもらい
石炭を掘ってくれはるて
しっかり約束交わすまで
決して大阪へは帰りまへんよって!」(あさ)

五代から預かったピストルを手に啖呵(たんか)を切る。

親分の治郎作(山崎銀之丞)や炭鉱夫たちは
あさがとんでもないものを持っていたことに
驚きと呆れた気持ちになりあんな人間のしたでは
なおのこと働けないと愚痴をこぼしていると
その中のひとりの炭鉱夫が怯えたように

「しかし、もし逆らったとして
あんなものを持ち出したあさに
何かされたらどうするのか?」(炭鉱夫)

と言い出しどよめく男たち。

「まあ、相手さん(あさ)も
そんだけの覚悟をもって
来とうっちゅうことったい。
さて、わしらはどげするかのう。。。」(治郎作)

難しい顔をして腕を組む治郎作。

そのころ、

自分たちの部屋へ戻った亀助(三宅弘城)は
今まで偉そうにあさを見下していた炭鉱夫たちに
ようやく一泡ふかせてやれたことを喜んでいた。

しかし、あさは浮かない顔で
「お守り」を包んだ風呂敷を見つめると
「武器にこない力があったてなぁ。」(あさ)
と、少し寂しげにいうと

「そやさかい 戦する男の人たちはみんな
武器を欲しがりますのやなぁ。」(あさ)

そういうと、
あさはどこか納得のいかないような表情をするが
それでもあさは新次郎へ手紙をしたためようと
気持ちを切り替えて机へ座り直す。

するとそこへ

「すんまへん奥さん。開けちゃらんですか。
(すみません奥さん。開けてくれませんか?)」(カズ)

と、親分の治郎作の妻・カズ(富田靖子)の声がする。

あさが入り口の戸をあけるとそこには
カズや炭鉱夫の家族の女性たちが
夫たちを助けてくれと血相をかいて
あさに訴えかける。

女たちはどこでそうなったかはわからないものの
あさが石炭を掘らない者には罰を与えるというような
話しを耳にしたと言ってパニックを起こしていたのでした。

「うちの若奥さんはそんなこと
ひと言も言うてはりまへんで!?
落ち着いてくなはれ。」(亀助)

そんな女たちを亀吉はなだめるも
なかなか聞き入れてもらえずにいました。

一方、大阪では惣兵衛(柄本佑)が寺町で
ゴロツキたちに追い回されていた。

逃げ回るうちに足をもつれさせ倒れこむ惣兵衛は
自らの惨めな姿に大きな失笑を浮かべていると

「なんでそないに自分痛めつけるんだす」(女の声)

その声を見上げた惣兵衛が見たものは
凛としたはつ(宮崎あおい)の姿でした。

なぜはつがこんなところにと驚く惣兵衛にはつは
「あなた様を迎えに来たんだす。」と言い
ゴロツキたちが惣兵衛を探す声がすると
はつは惣兵衛の手をとり駆け出していく。

はつと惣兵衛は駆けて駆けて駆けて。。。

はつたちがいつも野菜を洗う河原まで走ると
えずくように息を切らせて座りこむ惣兵衛。

「一生帰ってきはらへんおつもりやったんですか」(はつ)

自分が消えればはつもあんなところに居なくてすむ
そう思っていた惣兵衛。

お家が潰れてしまったのも
はつにあんな思いさせたのも
ケガさせたのも全部自分のせいだ。

なのに、自分はあの生活が楽しかった
そう話す惣兵衛は

「あんなボロ家に住んで
ふんどし一丁で泥だらけで
青物担いで。。。

惨めでしょうもないはずやのに
あのとき何でかホンマに楽しかってん。

土が暖ったこうてなぁ
お日さんが眩しいて
キュウリが美味しいて
だれの前でも気取ることもあらへん

あぁ、これが人の世やってんや。。。」(惣兵衛)

涙ながらに惣兵衛は本当の気持ちを口にする。

そしてはつも、貧乏でも幸せだったあのとき
惣兵衛は本当に気持ちよさそうに働いていたと
嬉しそうに思い出しながら話す。

それでよかったならなぜ突然逃げ出したのかと
少し笑いながら背中を叩くはつに惣兵衛は

「わしが笑ろて生きてたらアカンやろぉ!」(惣兵衛)

惣兵衛はそういうと、
はつは器量も良くて気立ても良くて
もし自分でなく加野屋の方へ嫁いでいたら
いまごろは新次郎(玉木宏)の横でお琴を弾いて
りっぱな若奥さんになっていたはず。

姑にもあんなふうに当たられることも
きっとなかっただろう。

自分のもとに嫁いだせいで
はつを不幸にしてしまったと
肩を落とす惣兵衛は

「お前(はつ)にもう。。。
一生得意なお琴も持たしたられへんいうのに。。。
なんでわしが笑ろて生きられるんや!」(惣兵衛)

はつに申し訳がないと涙する惣兵衛に

「旦那さま!うちがあの家にいてたときより
不幸に見えますか?」(はつ)

とはつは少し怒ったように
惣兵衛へ語りかけると
加野屋は加野屋で姑さんも
それなりに小難しいそうだと
惣兵衛に笑いかける。

「へぇ!?」(惣兵衛)

はつの言葉に驚く惣兵衛でしたが
そんな惣兵衛を尻目にはつは
「さぁ、一緒に来とおくなはれ」と
惣兵衛を立たせ

「旦那さまに会うてもらわなアカン
大事な人が居てますのや」(はつ)

はつは惣兵衛を連れて住んでいる納屋へやってくると
その納屋の前では無邪気に遊ぶ藍之助の姿があった。

呆然と見つめる惣兵衛にはつは藍之助を抱きかかえ

「いまさら ええ旦那さまになろうやなんて思わんとくなはれ
。。。ええお父ちゃんになってください。」(はつ)

はつはそう言って惣兵衛へ笑いかけると
「藍之助、お父ちゃんやっと帰ってきはりましたで。」(はつ)
と藍之助に向かい笑っている。

そこへやんちゃな藍之助の姿を探し
栄達(辰巳琢郎)が納屋から出てきくると
惣兵衛の姿に驚きの言葉を上げる。

するとその声を聞いた母・菊(萬田久子)が
血相をかいて草履も履かず大またで駆け出してくる。

「いまさら何しに帰ってきたん!!!」(菊)

菊はそう怒鳴りつけると、
「いまさら何しに帰ってきたんや」
そう何度も何度も菊は言いながら
惣兵衛にすがりつき涙する。

「堪忍。。。堪忍な」(惣兵衛)

これまで強がってきた思いが爆発したかのように
菊は大なき涙を流し泣き続けます。

はつはようやく夫・惣兵衛を闇から救いだしたのでした。

そして、あさのところにも吉報が。。。

早朝、洗い物をするあさと亀助のもとに
山の支配人・宮部(梶原善)が駆けて来ると

「奥さん!明日からみんな山に入る言うとります!」(宮部)

宮部の言葉にあさは驚いて立ち上がる。

「やっぱりなぁ~さすが若奥さんや!」(亀助)

亀助があさの大業に満面の笑みをこぼしていると
どこからともなく。。。

エッホ!エッホ!
エッホ!エッホ!
エッホ!エッホ!

と、九州の山奥の炭鉱にそれは立派な駕籠(カゴ)がやってくる。

「こないなとこまで駕籠(カゴ)で来るやなんて。。。」(亀助)

場にそぐ合わない光景に亀助が呆れていると駕籠(カゴ)が止まり
そこからひとりの男が出てくる。

「はぁ~ぁ、来てしもたがな。」(男)

そう言って駕籠(カゴ)から出てきた男は
何を隠そう、あさの夫・新次郎でした。

びっくりぽんなあさです。

『あさが来た』第7週40話「だんな様の秘密」解説

今回は「不退転(ふたいてん)の気持ち」について解説していきたいと思います。

不退転(ふたいてん)の気持ち」とは
不退転(ふたいてん)とは、元は仏教用語で
信念を持って、何事にも屈しないという意味の言葉です。

最近では政治などの弁論で耳にするのもですね。

これは、仏教修行者が行う、
菩薩の修行というものがあるのですが
その授業が10段階に分かれていて

その修行は初段階に至ることすらも難しく、
菩薩になるために修行を積んでいけば
それに比例してどんどんと修行の難度も上がります。

しかし、その修行に挑む修行僧は、
修行に挑むと同時にこれまで積んだきた徳を
落とさない努力もしなければならなくなります。

この修行僧のように、
どんなに困難なものにも諦めずに
目標に向って突き進む信念と
慢心せずに日々努力し続けるという
決意と戒めの言葉でもあるのです。

【炭鉱(炭坑)で小鳥を買っている理由とは】→コチラ 第37話「だんな様の秘密」解説へ
【五代からのお守り】→コチラ 第36話「だんな様の秘密」へ

『あさが来た』第7週40話「だんな様の秘密」感想

今回は、今井家の娘は男らしい!な 回でしたね。

ようやく惣兵衛さんも家族のもとへ帰ることができました!

よかったよかった。

しかしあれですよね、
あさにしてもはつにしても
今井家の娘たちは本当に

男らしい!!!

はつが惣兵衛さんの手を取って駆け出すところなんて
まるでお姫様を助けに来た王子様のように見えましたよね?

私だけでしょうか(笑)

今日の名言は
はつさんの
いまさら ええ旦那さまになろうやなんて思わんとくなはれ
。。。ええお父ちゃんになってください。」です。
惣兵衛さん、もうこれではつさんには頭が上がりませんね(笑)

ようやくあさの想いが通じたのか?
炭鉱夫たちが明日から山へ入ると腰をあげた様子。
そんな中、突然駕籠(カゴ)に乗ってふらりとやってきたのは
あさの夫・新次郎でした!
また、炭鉱夫たちとの間に何かが起こる予感が。。。
次回、『あさが来た』第41話「だんな様の秘密」お楽しみに!!!

『あさが来た』もくじ あらすじと解説・感想

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

ページ上部へ戻る