『あさが来た』45話「あさお金が怖い。五代の考える銀行は志のある人を応援する場所」

京都の今井家を訪ねてきた五代友厚(ディーン・フジオカ)に驚く
あさ(波瑠)とはつ(宮崎あおい)。今井家に銀行立ち上げの話を
父・忠興にすすめたのは五代だった。そんな五代にあさは今まで
仕事を通じて感じたお金の恐ろしさを話し、銀行の必要性を訊ねる。
そこへ弔問へやってきていた新次郎(玉木宏)と正吉(近藤正臣)が
偶然五代と鉢合わせ。。。

『あさが来た』第8週45話「京都、最後の贈り物」あらすじ

「なんで五代さまがここに?
うちの父、知ってはったんだすか?」(あさ)

「なに言いはります?
今をときめく今井屋の忠興さんを
知らん財界人おりませんやろ!」(五代)

五代はそういうと、
あさの弟・久太郎(興津正太郎)に準備のほどは?と訪ねると
久太郎は五代が作った英語の辞書(薩摩辞書)を手に
毎日語学の勉強をしているとにこやかに話している。

久太郎の手にする英語辞書に興味をそそられるあさは
その辞書を手に取って中を見て驚く。

その様子を後ろで見ていた母・梨江(寺島しのぶ)は
横に座るはつに最近の久太郎と五代友厚との馴れ初を話しだします。

このころ久太郎は五代に魅せられてしまい
英語を覚えようと懸命に勉強していて
その久太郎の敬愛する五代に関しても
以前あさに着た異国からの手紙事件の
その相手だとはつに告げる。

五代の勧めで久太郎は来年
銀行の商いを学ぶために
アメリカへ留学することになっていた。

「イエス!アイム ゴーイング トゥ アメリカ!」(久太郎)
嬉しそうに話す久太郎の姿に心配そうに首をかしげる忠興(升毅)。

「ベスト ワーク!」(五代)
五代も嬉しそうに笑い
あさはなにがなにやら
びっくりぽんです。

そのころ、今井家には
大阪から加野屋の主人・正吉(近藤正臣)と
新次郎(玉木宏)が弔問に訪れていました。

奥の部屋ではあさが五代に
なぜ政府も五代も今井の父に
銀行を作れというのかという
素朴な疑問を五代へ投げかける。

すると五代は「今井は政府の信頼が一番厚い!」そういうと
貨幣制度の改革に一役買った今井は資金もたくさんあり
長州から政府役人で顧問の井上馨(いのうえかおる)との繋がりも深い。

「日本で最初に銀行を作るのは
この今井屋をおいてほかにない言うことです。」(五代)

「そうだすか。」そう納得したようにうなずくあさに
弟・久太郎は今の話を本当に理解できたのかと
驚いてしまう。

あさはさきほどの五代の話を
久太郎へ簡単に噛み砕いて話すと

「エクセレント!さすがあささんや!」(五代)

大喜びする五代でしたがあさは。。。

こんなことは父・忠興にも加野屋の主人・正吉にも言えないことだが、
今あさは両替屋や銀行というものが良いものだとは思えないと言い
お金は石炭などとは違って時に人をひどく苦しめるモノだ。

梨江に連れられた正吉と新次郎が部屋の近くまでくると
ふたりの耳に五代とあさが話す声が聞こえる。

自分は今まで加野屋で仕事をしてきて
何度となくそういった場面を見て来た。

お金のせいで泣いたり怒ったり、もめ事になったり。。。
自分にはそんなお金を扱う銀行と言うのが本当に必要なものなのか
よくわからなくなってきていると、お金の恐ろしさを五代に話す。

そんな正直な気持ちを訴えるあさに五代は
確かにお金というものはひとつ間違えば
人を苦しめ命さえ奪うことになりかねない。

しかし

「人を救うことができるのもお金なんです。」(五代)

お金は使う人や使い方で金にもなれば、
ゴミにも、日と苦しめるものにも
いくらでも使い方で価値がかわる。

「銀行はお金を金にできる
志のある人を応援する場所なんです。」(五代)

その話の内容がイマイチ理解できないあさは
困惑するがそこへ

「いやいや なかなか興味深いお話だすなぁ」(正吉)
正吉と新次郎がふたりの話へ入ってくる。

五代は加野屋の主人・正吉へあいさつをすると
一緒に商いの話をしないかと誘うが正吉は
先に亡くなった忠政へ焼香をすませたいと言って
席をはずすのであさも一緒に出向こうとするが
そんなあさに五代は

「加野屋もいずれは銀行にならなアカン。」(五代)

五代はそういうと、これからいろいろな産業が生まれ
何かを始めるためにはかならずお金が必要になる。

そういった人たちが銀行に来て
銀行はその人の志が
どれだけ意義のあることなのか
無駄がないかを一緒に考え
応援する価値があるなら
それに見合った融資をして
その利益から利息を払ってもらい
金で人を応援し救うのが銀行だと
五代はこれからの新しい商いの話をする。

五代の話に感銘を受けるあさ。

その後
今井屋を去ろうとする五代ところへ
新次郎がやってくる。

あさは来客へのあいさつをしているからと
新次郎は変わってあるものを五代に返すと言い出す。

それは五代があさに渡した「お守り(ピストル)」でした。

「ホンマおおきに 助かりました。」(新次郎)
新次郎は五代に礼をいうと

「けど、そない大事なもんをお貸し頂くやなんて
やっぱり西洋帰りのお方は おなごに親切なことだすなぁ。」(新次郎)

「誰にでもというわけではありません。」(五代)

その言葉に新次郎は五代へ目をやると
五代も新次郎を見返し一瞬緊張が走るが
五代はこれでと今井屋を後にする。

そんな様子を藍之助を抱くはつが見つめている。

そして翌日
あさとはつは正吉や新次郎と一緒に
大阪に帰ることとなりました。

「へぇ~これあんたが漬けたん?」(梨江)

持って来たぬか漬けを見て驚く梨江にはつは
近頃はもらい物の野菜でよく漬けるのだと話していると
そこへドタドタと足音をたててあさがやってきて口を挟む。

「お姉ちゃんのお漬け物おいしいんだす!」(あさ)

加野屋の主人・正吉もはつの漬けた
かぶらの漬け物が好物で。。。と話しだすと

「えぇから、あんたは早く(帰る)支度をしなさい!」(梨江)

梨江に叱られたあさはそそくさと帰り支度に戻ります。

すると梨江はこっそり袖口から小さな風呂敷包みを取り出すと
自身がやりくりして貯めたお金(へそくり)とはつへと手渡し
持って帰るように伝えるがはつは受け取れないと返す。

親子の仲でなぜそんなに遠慮をするのかと問う梨江に
元は家を守れなかった自分のせいだからと言うはつ。

「たまには弱味みせなさい!」(梨江)

親が子どものために何かしたいと思って何が悪い
山王寺屋を助けることができなかったことや
大きな家に嫁げば幸せになれると思っていた
自分達が浅はかだったとはつに頭をさげる梨江。

廊下のはしでふたりの姿を見つめる忠興。

本当を言えば不安で仕方がない
どんなに働いてもお金ができるわけでもなし
借金取りに見つかったら
今の納屋にもいられなくなる。

そうなれば、息子の藍之助も
これからどう育ていけばいいのかと
とても不安になる。

あさはいきいきと働いているのに
自分は何をしているのかと情けなくなる。

はつは今まで誰にも言ってこなかった本心を
母・梨江に話すとこのことは
あさには内緒にしてほしいと告げる。

「それにお母はんにもうこれ頂いてます。」(はつ)

はつは大阪に嫁ぐ際に梨江から手渡された
手作りの「お守り袋」を梨江に見せると
山王寺屋に嫁いでからも
「あんたは幸せになれる」と言った
梨江の言葉を思い出して頑張ってこられた。

だから、本当にお金は必要ない
この「お守り袋」だけで十分だと
母・梨江へ伝える。

「あんたは。。。ほんまに。。。」(梨江)

そういうと、梨江ははつへ寄り添い
はつの肩を優しく抱き締めるのでした。

そんなふたりの姿に父・忠興は目を赤らめ
口をぐっと強く一文字に結ぶ。

こうしてあさとはつの姉妹は
それぞれの家族の待つ大阪へと帰ってきました。

するとあさの目にあるものが飛び込んできて
あさは嬉しそうな笑みを浮かべる。

『あさが来た』第8週45話「京都、最後の贈り物」解説

今回は「五代友厚の英語辞書(薩摩辞書)」「井上馨(いのうえかおる)」について
解説していきたいと思います。

五代友厚の英語辞書(薩摩辞書)」とは
薩摩藩士高橋新吉・前田献吉・前田正名の三人によって
慶応元(1865)年に上海で開成所版の英和辞書を翻刻したもので
正確には五代友厚が作ったというよりは
上海留学時代にともに翻訳したものというのが
正しいのかもしれません。

この辞書はその後、
明治2(1869)年に和訳英辞書として増刊さ れ
通称・薩摩辞書としてその当時の貿易や勉学などに
広く利用されていました。

井上馨(いのうえかおる)」とは
元長州藩士、討幕運動で活躍。

明治維新後は木戸孝允の引き立てで大蔵省に入り
第一次伊藤内閣の外相として条約改正に尽力するが
欧化政策を強く推し進める極端な面も持ち合わせた人物で
のちに農相、内相、蔵相などを歴任します。

その後政界から引いた井上は、
三井物産(今井家モデル)の前身とする
三井組を背景に商社を設立するなどして
財界に重きをおいていたが、
伊藤の強い要請のもと政界へ復帰。

辞任していた木戸と板垣の説得や
大久保との間を周旋し明治8年(1875年)
両者の会見を取りまとめた大阪会議を実現させた。

【梨江から娘へお守りエピソード】→コチラ 第2週「ふたつの花びら」へ
【五代あさへのお守りエピソード】→コチラ 第6週「妻の決心、夫の決意」へ

『あさが来た』第8週45話「京都、最後の贈り物」感想

今回は、五代の宣戦布告!?な 回でしたね。

前々からあさの京都実家・今井家について
ずっとどこがモデルなのかと考えていたのですが
ここにきてうやっと確証がもてました。

今井家のモデルは三井物産さんですね。

そしてそして
これはもう確定済みなことではありましたが
あらためて五代さんが新次郎さんに宣戦布告です。

新次郎さんも五代さんと会うたびに明らかに
ライバル心を燃やし始めてますし。。。

今後のあさをめぐる
このふたりのやり取りが気になります。

今日の名言は
梨江さんの 「たまには弱味みせなさい!」 です。
五代さんの「誰にでもというわけではありません。」もすごかったのですが
梨江さんのこのセリフは『あさが来た』を見ているみんなの心の声でも
あるような機がします。

久太郎のアメリカ留学や
五代からの新しい産業の話に
感銘を受けたあさは
祖父・忠政の葬儀も終え
ようやく大阪へ帰ってきました。
そこであさが目にしたものとは!?

次回、『あさが来た』第46話「京都、最後の贈り物」お楽しみに!!!

『あさが来た』もくじ あらすじと解説・感想

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