あさが来た 87話 五代友厚に黒い報道

加野屋の者たちを前にあさ(波瑠)は、借金をしてでもさらに炭鉱の買い付けすることを提案します。そんなあさの言葉に大番頭・雁助(山内圭哉)は厳しい言葉を投げかけます。しかし、あさはそれでも炭鉱を買い付けるため九州へと向かうのでした。そのころ、北海道と大阪・日本の発展のため尽く力する五代友厚(ディーン・フジオカ)に汚職スキャンダルが。。。

『あさが来た』第15週87話 「大阪の大恩人」あらすじ

九州からの手紙

あさ(波瑠)が待っていた手紙は九州の亀助(三宅弘城)からのものでした。そこには、加野炭鉱の近くで鉱山が売りに出ているという話と、炭鉱の場所を記した地図が同封されていました。

あさは送られてきた亀助からの手紙を見大喜びして立ち上がります。

うめと雁助

そのころ、うめ(友近)が五代友厚(ディーン・フジオカ)が雁助(山内圭哉)の銀行への見立ては間違っていないとあさたちに話していたことを打ち明けると、その話しに雁助は大きく驚きます。しかし、あのあさが銀行経営を見送ったまま何もしないでいるはずがないと笑う雁助。そんな様子にうめは、本当は伝統ある加野屋の商いをどんどん変えてしまうあさのとこを雁助が心よく思っていないのではと心配する。

雁助は前当主・正吉(近藤正臣)の訃報をうめからの手紙で知ったときに、一度は加野屋をやめようと考えたとうめへ打ち明けます。しかし、自分を頼りにしてくれている八代目・榮三郎(桐山照史)が一人前になるまでは加野屋にいたいと雁助は話します。いずれは加野屋を出るという言葉を聞いたうめは「そのときは。。。」と、何かを口にしようとしますが、うめは恥ずかしそうに何も言わないままその場を去っていきます。

そこへ偶然立ち聞きしてしまったあさと雁助が鉢合わせてしまう。するとあさは苦笑いをして「明日、話があるから」と言い残して去っていきます。何を聞かれたのかとドギマギする雁助です。

本当は怖いおままごと

加野屋の者たちはあさに呼びばれて集まっていました。そこに新次郎(玉木宏)が座っていると、よの(風吹ジュン)が嬉しそうに「五代さまはおなごの扱いがお上手だすなぁ」と笑ってやってくる。

そんなよのから「千代が五代のことを好いている」と聞いた新次郎は「千代にまで気に入られるなんて、トモちゃんめ!」と五代にやきもちを妬いていると、そこへ愛娘・千代(中川江奈)がトコトコとやってきて唐突に「お父ちゃんも、ふつうのお父ちゃんと違てるの?」と新次郎に問いかけます。

千代の言葉に驚いた新次郎とよの、そして榮三郎の3人は店の表へやってくると、そこでは千代の友達のかよ(細川凛乃)とみよ(かわさき鈴乃)が親たちの姿をそのまま真似たままごとをしていました。その様子にあっけにとられ笑うよのと榮三郎。そして「ままごというのは、ホンマに怖い遊びや」と恐れおののく新次郎なのでした。

加野屋の炭鉱業を拡げたい

加野屋の者たちを前にあさは、さらに炭鉱の買い付けを提案します。前々から、九州の亀助に炭鉱事業を拡げようと鉱山の売り情報があれば知らせるように伝えていたところ、ちょうど加野炭鉱の近くで鉱山の売りが出ていると連絡があったことを皆に知らせ。近年の炭鉱ブームで鉱山の価格は上がっていて、今の手持ちでは到底購入することはできないが、借金をしてでも買い入れる気負いだとあさは気持ちを伝えます。

借金という言葉に当主の榮三郎はため息をつき、これまで炭鉱事業に反対してきた大番頭・雁助は、炭鉱の商いはあさの領分だからすきにすればいいと話します。しかし、この次炭鉱でなにがあっても自分は尻拭いはしないと厳しい言葉をあさに投げかけるのでした。そして、あさは炭鉱を買い付けるために九州へと向かう準備をはじめます。

和歌山に住む姉・はつからの手紙

九州へ向かおうとするあさのもとに、さらに待ち望んだ手紙がもう一通届きます。

それは和歌山へ移り住んだ姉・はつ(宮崎あおい)からの手紙でした。

あさ、元気に暮らしていますか?とはじまったはつの手紙には、長男・藍之助は10歳、次男・養之助は6歳になり、長男・藍之助が村にある学校へ通うようになったことや、藍之助の学校の月謝を払うために、あの姑・菊(萬田久子)までもが藍之助のためにと働くようになったことなど、家族みんな楽しく健やかに暮らしていることが書かれていた。

はつの元気そうな便りに安心したあさは、娘・千代を残し九州へと向かます。

五代友厚の汚職スキャンダル

そのころ、五代は、国も投げ出した一筋縄ではいかないであろう北海道での新しい商いへの意欲を燃やしていました。北海道と大阪・日本の発展のため尽く力する五代のもとに東京の新聞記者から、ある内容の新聞を発行すると連絡が入る。

明治14年7月、いくつかの新聞社から薩摩出身の五代が、同じく薩摩出身の政府高官と癒着(ゆちゃく)し、『北海道の官有物を格安の値段で払い受ける』という報道が大きく世に出回りました。

あさもその新聞に書かれた内容を見て慌てて大阪へと舞い戻ります。

『あさが来た』第15週87話 「大阪の大恩人」解説

今回は「北海道の新しい商い その②」について解説していきたいと思います。

北海道の新しい商い その②」とは
1881年(明治14年)に北海道開拓事業が廃止になり、元薩摩藩士で北海道開拓長官の黒田清隆は北海道にある船舶、倉庫、農園、炭鉱、ビール・砂糖工場など1400万円の費用を投じた施設・設備を39万円(無利息30年賦)で民間に払い下げることを強引に決定します。この黒田の強引な決定に政府内でも批判の声があがります。これが「北海道開拓使の官有物払い下げ事件」とよばれるものです。

元薩摩藩士で北海道開拓長官の黒田清隆のこの強引な決断が引き金になり、払い下げ先である五代友厚も同じ元薩摩藩士であることから「薩摩出身者同士の不正取引だ」「腹黒い経済人が私利私欲をこやしている」と非難されてしまいます。

この「北海道開拓使の官有物払い下げ事件」は、実は国会開設を要求する反政府勢力の薩長政権を攻撃のために、北海道開拓使の官有物払い下げを利用した政治闘争のひとつでした。

時代の政治闘争に巻き込まれた五代友厚は、北海道開拓への夢は奪われますが、この事件をへても、大阪商人たちの五代友厚への信頼はまったく揺らぐことはありませんでした。

【五代友厚・北海道の新しい商い その①】→コチラ 第85話「大阪の大恩人」解説へ
【大阪の大恩人・五代友厚について】→コチラ 第4話「小さな許嫁(いいなずけ)」解説へ

『あさが来た』第15週87話 「大阪の大恩人」感想

今回は、五代さんに大スキャンダルな回でしたね。

精錬潔白な五代友厚に降ってわいて出たスキャンダル「政府との癒着(ゆちゃく)」。一体こんな話がどこから出てきたのでしょうか?

しかし、よくよく考えてみれば明治政府の要人から一介の商人へ転進。次々と事業を成功させ、若くして鉱山王を呼ばれ、大阪のみならず日本中で事業をこなす実業家を見れば、少なからずやっかむ者もいるかもしれません。

そんなやっかみから、こんな新聞記事が出たのかもしれませんね。

とても大きな問題になっているので、五代さんが心配です。

今日の名言は
新次郎さんの「ままごというのは、ホンマに怖い遊びや」です。
本当に子どもというのは大人の言うことやすることをよく見ていますよね。何気ないところにそういった部分を見ると本当に大人は怖いものです。なんだかすこし気持ちがわかります(笑)

薩摩出身の政府高官と癒着(ゆちゃく)し、『北海道の官有物を格安の値段で払い受ける』という、あらぬことを新聞に書き立てられ、大阪の商人たちに取り囲まれる五代友厚。事態を知ったあさも大阪へ舞い戻ります。五代の危機にあさはどう立ち向かうのか!?
次回、『あさが来た』第88話「大阪の大恩人」お楽しみに!!!

『あさが来た』もくじ あらすじと解説・感想

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