『まれ』2話「桶作元治、文、塩田夫婦との出会い、徹の口は災いの元」

塩田を営む桶作元治(田中泯)、文(田中裕子)夫婦と出会った翌朝、
希(松本来夢)と藍子(常盤貴子)は、土地になじむための努力をするが、
徹(大泉洋)は、まじめに塩作りをする元治に大量生産儲け話を持ちかけ、
元治、文夫婦の怒りを買ってしまう。
能登に来ても変わらぬ父に希は失望し、厳しい言葉を投げつけてしまう。

『まれ』第1週 2話 「魔女姫バースデーケーキ」あらすじ

能登で昔から行われている塩作りは、揚げ浜式(あげはましき)塩田と言われ、
海から海水を汲み、塩田の砂の上に撒いた後、天日に当て乾かし、
乾いた砂をかき集めて海水で漉し、塩分濃度の高い「かん水」を作ってから、
一昼夜釜で煮つめて、ようやく塩が完成する。
全工程1週間の手間のかかる地道な作業です。

希(松本来夢)は懸命にメモを取り、
島での生活や伝統について学ぼうとしていた。

希一家はお世話になっている
桶作元治(田中泯)、文(田中裕子)夫婦の塩田作業を手伝うが、
海水の入った桶は総重量80キロ、塩田へ運び込むだけでも重労働、
徹(大泉洋)はすぐに弱音を吐いて座り込んでしまう。

見かねた藍子(常盤貴子)は、次は私がすると徹の制止を振り切って桶を担ぐ。
すると、これが意外にも軽々と持ち上げてしまった藍子に徹も文を目を丸くする中、
一徹(木村聖哉)が一言、こう見えて怪力なんですと笑って見せるのであった。

能登の海の幸を堪能する一家、桶作家で出される料理の数々はどれも絶品で、
中でも元治の作る塩が、素材の味を引き立て一層美味なものにしていることに、
藍子と希は感動していた。

しかし、世話を焼いている文は一貫して、希たち家族のことを「お客さん」呼ぶ。

そのことに寂しさを覚えた藍子は、家族名前を一人ひとり紹介するが、
文は数日のお付き合いなので、とそそくさと席を立ってしまう。

その夜、島の人々の対応が自分たちを追い出そうとしているように感じた一家は、
今後どうしていくべくかと悩んでいた。

塩田で働かせてもらえるように頼もうと提案する希に、
オレは頭脳派だと言う徹の姿に希は冷たい目線を注ぎ、
自分がしっかりしなくてはと強く思う希なのでした。

翌朝、目を覚ました希の目の前には見知らぬ子どもたちの姿が、
希が目を覚ましたのを確認した子どもたちは、希を抱え上げ連れ去ってしまう。

連れて行かれた先は、近所の砂浜、
何がなんだかわからないままに希は子どもたちと相撲する羽目になっていた。

藍子(常盤貴子)は、ご近所の住人たちの集まる美容室に赴いて、
一人、土地になじむための手がかりを探していた。

能登はやさしや土までも」能登の人の良さはピカイチ、
とと楽」能登の女がしっかり者なので旦那方は楽に生きられると、
能登の風土について、
美容師を営む、蔵元浩一(篠井英介)、はる(鈴木砂羽)夫婦に教えられ、
郵便局員・寺岡真人(塚地武雄)は空き家情報を、
漁師・角慎一郎(ガッツ石松)は魚など提供すると、
困ったことがあれば何でも相談して欲しいと親身に話を聞いてもらえ、
島の住人たちと打ち解けていた。

希が桶作家に戻るとそこには山のような野菜と魚が軒先に積まれていた。

驚く希に藍子が経緯を話し、島での再出発に光が見えてきたことを喜んぶ最中、
一徹は、友達と約束があるさけ(能登弁)と飛び出していった。

一徹の能登への順応の早さに驚く希と藍子でした。

一方、徹は、黙々と塩づくりをする元治に大量生産で儲けようと持ちかけ、
元治と文の怒りを買い、明日にも出て行けと一喝されてしまう。

その光景を見た希は、能登に来ても変わらぬ父の姿に失望し、
厳しい言葉を投げつけてしまう。

大きな夢も、徹の事も嫌いだと涙する希に徹は、ただただ立ち尽くすのでした。

『まれ』第1週 2話 「魔女姫バースデーケーキ」解説

今回は 揚げ浜式塩田 に焦点を当てていきたいと思います。
揚げ浜式塩田とは、
慶長元年より500年以上続いている揚げ浜式製塩伝統的な製塩法です。

白米千枚田などとともに「世界農業遺産」に登録されており、
国の重要無形民俗文化財にも指定されている能登の伝統文化です。

製塩に従事する技術者のことを「」に「サムライ」と書いて『浜士』と呼びます。

ひとつ36リットルの海水が入る「かえ桶」を、「肩荷棒」という棒を使って担ぎ、
バランスをとりながら汲み揚げる海水の量は、1回約72リットル重さ80kg近くなり、
多い時には630リットル以上の海水を繰り返し汲み揚げます。

汲んできた海水は、
塩田の真ん中に置かれた「しこけ」と呼ばれる大きな桶に集められ、
「おちょけ」という小さな桶ですくって塩田にまんべんなく撒いていきます。

このような『浜士』なるためには、「潮汲み3年」「潮撒き10年」と言われ、
熟練した技術が必要な作業なのです。

この製塩法は、雨天時には製塩できず、潮まきの決行は、
雲の様子などを見て、浜士の長年の勘で天候を予測し、判断されます。
かん水」を煮詰める作業も6時間の荒焚き、16時間の長丁場

全工程で1週間の時間が必要ですが、この製法で作られた塩は塩辛さが少なく、
豊かな海の旨みと甘みが口の中に広がります。

浜士の親方は日本酒の杜氏のように、塩田の全責任を負う、職人の世界です。
釜炊きが始まると親の死に目に会えないとも言われる過酷な世界なのです。

何も知らない、東京から来た新参者が簡単にビジネスなどと言ったのですから、
徹が元冶や文の怒りを買うのも当然の事でしょう。

『まれ』第1週 2話 「魔女姫バースデーケーキ」感想

能登に到着して、たくさんの新しい刺激が希を待っていましたね。
都会ではなかなか見られない、ご近所付き合いや助け合い、
気がついたらもうお友達のような強引さ、新鮮な魚に土のついた野菜。
どれも輝いていて素敵な環境でよかったですね。

家族が島に馴染んでいく中、
徹だけがどうにもまだ夢ばかり見ては周りを振り回しています。

今日の名言は 「能登はやさしや土までも」 これで決定!
能登の人たちの人柄が表されているとても素敵な言葉ですね。

住むところもままならまま、徹の不用意な一言で宿を提供してくれている、
桶作夫婦の怒りを買ってしまい、万事休す。

希たちはこの先どうなってしまうのでしょうか。

次回、第3話  続 「魔女姫バースデーケーキ」お楽しみに!!!

『まれ』 【もくじ あらすじと解説・感想 一覧】

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