『まれ』110話「元治の塩田引退と一徹の葛藤」

突然、塩作りを引退すると公言する元治(田中泯)に驚く一同は、
どうにか思いとどめさせようとするが、元治の決意は固く、ゆるがないものだった
一方で、なかなか会社の倒産から立ち直れない徹(大泉洋)苛立ちを募らせていた
一徹(葉山奨之)は、元治の引退にさほど心配しない徹へ怒りをあらわにし、
親子の間に不穏な空気が流れてしまう。。。

『まれ』第19週 110話 「潮時じゃがいもガレット」 あらすじ

突然、塩作りを引退すると公言する元治(田中泯)に驚く一同。
そして元治は、塩田の釜炊き小屋でケーキ屋をすればいいとまで言うので
驚いた希(土屋太鳳)は、そんな急にと戸惑う。

しかし、元治は急ではない、少し前から考えていたと話し、
前に息子の哲也(池内博之)が釜炊き小屋でカフェやりたいと言っていただろう?
カフェができるならケーキ屋をするにも支障はないはずだと元治が言うと、
希にケーキ屋させるために引退するのか?と圭太(山崎賢人)が怪訝な顔をする。

そんなことではないと言う元治に、
みのり(門脇麦)は仕事を辞めて他にやりたいことがあるとか?と聞き、
働くのが嫌になったのか!?と心配する徹(大泉洋)、
希や圭太も口々に元治を質問攻めにするが、
そんな周りの声を払拭するかのように
体の具合でも悪いとか?と一徹(葉山奨之)が真剣な顔で聞くと、
引退を考えるほどにどこか調子が悪いのかと藍子(常盤貴子)も心配する。

すると元治は去年の塩残っているか?と文(田中裕子)に言うと、
去年と今年の塩を食べ比べてみろという元治、
もしかして、塩の味が落ちてきているのかと驚く希。

しかし、味覚に定評のある希が塩を食べ比べるが
なにがどう違うのか違いがわからず、
それなら、文ならわかるのではと
元治は文にも食べ比べさせるが、
さすがの文ですら、何が違うのか
ひとつも違いがわからないと言う。

戸惑う一同だったが、
文にも希にもわからないなら問題ないのではないか?
藍子が元治をさ諭すも、味が落ちてきているのは間違いない
元治はそう言って立ち上がるとさっさと塩田へ向かってしまうのでした。

塩田で作業する元治を見つめる一徹。

桶作家では、台所で食事の支度をするみのりが、
二つの塩を舐めくらべやっぱり違いがわかないとつぶやくと、
他人にはわからなくても、味が落ちているんだろう
本人が言うのだからしかたないと文は言うと
一度言い出したら元治は曲げないからと希に話す。

イカじゃが」と「なすのいしる漬け」を希と圭太に持たせる藍子
そこへ、みのりが駆け寄ってくると、夕飯を食べて帰らないのかと声をかけるが、
まだ仕事が残っているからと、圭太がもう仕分けなさそうに答える。

そして、希が元治のことでまた何かあれば連絡して欲しい
みのりと藍子へ伝えていると、奥でテレビを見ていた徹が、
引退したいならしてもいいんじゃないの?もういい歳なんだしと
軽く口にすると、塩田から帰って来た一徹がその言葉を耳にし、
やりたくないから辞めるわけじゃない、
徹のような人間には永遠にわからないと言い
怒って2階へ上がって行ってしまう。

次の日、塗師屋で昼食を取る希とみのり。

一徹があんなふうに徹に怒るなんて珍しいと驚く希に、
最初は一徹も徹に同情していて一緒に落ち込んでいたりもしていたが、
いつまでも徹があんな調子だからと、みのりが言うと、
希も、確かに面倒くさい感じになっていると呆れる。

徹の会社が成功した時も一徹は、
やっと徹が家族のために本気になってくれたと
それは本当に喜んでいたと言うみのりは、
その期待していた分、今の徹の姿が残念でならないなのだろう
希に話す。

そう話ながらも黙々と
大量のじゃがいもを食べるみのりの姿に驚く希。

その頃、永遠とふてくされている徹が、
部屋の畳の目を数えていると、
10万3201!と畳の目の総数を
苛立ったように言い放つと
徹をまたいで部屋を通り過ぎていく一徹

そんな一徹が野菜を洗う文のもとにやってくると、
今月分の家賃といって封筒を差し出し、
受け取った文は中身を見て驚く。

いつもより金額が多くないか?と文が一徹へ訊ねると
徹が帰って来た分食費もかかっているだろうからと
文を気遣う。

一人くらい増えたところで大差ないのにと遠慮する文だったが、
一徹がデイトレードもうまくいっているから、気にするなと言うので
それじゃあ、何かサービスしないとなと言って笑うと、
一徹へところてんを食べるか?と台所へと誘うのだった。
一徹はえらい、デイトレードと言うのは誰にでもできることではないだろうと
文は一徹を褒めると、一徹は塩田の方が誰にでもできることじゃないと言い、
元治は本当に塩田を辞めてしまうのか?と文に訊ねると
元治は、言い出したら聞かないから腹をくくったように言う文。

市場の食堂で弥太郎(中村敦夫)、元治、希の3人が座り、
いつものように弥太郎と元治の小競り合いをしていたが、
突然弥太郎が真剣な表情で、潮時なのか?聞くと、
そうだと元治が答えると息をのむ弥太郎。

すると弥太郎は、それならそれでいい
目を伏せ少し悲しそうな表情を浮かべると
ひとりで塗師屋へ帰っていく。

希は元治に、本当に塩田を辞める気持ちに変わりはないのかと聞くと、
元治の塩は美味しいのにと残念そうにため息をつく。

そんな希に、元治はそんな顔をするなと言って、
潮時」と言うのはものの終わりではない
何かをするのにちょうどいい前向きな言葉で、
美味しいと思ってもらえるうちに辞めるのか物作りだ、
気づかれてしまったからでは遅い
駄目にしないうちに辞めるのも職人の仕事なのだと元治は言うと
ぐっとグラスをあけるのだった。

台所で考え深そうに元治の塩を見つめる希。

『まれ』第19週 110話 「潮時じゃがいもガレット」 解説

今回は 「潮時」「なすのいしる漬け」「塩茹でじゃがいも
について解説していきたいと思います。

潮時」とは、物事を始めたり終えたりするのに、
適当な時機、好機のことを言い、
終わりとも意味がとれるので
マイナスイメージを感じる言葉でもありますが、
大半は良い前向きの言葉として使われます。

なすのいしる漬け」とは、いわしやサバなどを主な原料に作られた
魚醤「いしる」に昆布や塩、ミョウバンを使った「なすの漬物」です。

それでは、いよいよ「塩茹でじゃがいも」の美味しいつくり方をご紹介します。

劇中にできて来た「元治の釜茹でじゃがいも」ですが、
材料のじゃがいもはおそらく「能登赤土馬鈴薯(のとあかいもばれいしょ)」を
使っていると思われます。

そして、じゃがいもを美味しく茹でるコツは、
水からゆっくりと茹でる!
水から茹でて沸騰直前の火加減をキープして、
時間をかけて茹でると、じゃがいものでんぷんが糖化し、
じゃがいも本来の甘みが最大限に引き出されます。

最後に肝心の塩加減ですが、
通常塩釜の中のかん水の塩分濃度は20~25%程度
しかし、自宅でそこまでの塩水を作るのは難しいかと思いますので、
塩分濃度10%程度でゆっくり茹でられるのが良いかと思われます。

10%の塩水は、1L の水に 100g の塩を溶かすとできますが
これでも結構な塩分量ですよね;;;

つまり、「元治の塩釜で茹でたじゃがいも」を再現するには
能登赤土馬鈴薯を用意し、塩分濃度10%~20%の塩水
から
沸騰させずにゆっくり茹であげる!これだけです。

塩田の塩釜は、塩を焦がさないようにゆっくりと水分を飛ばしていくので
じゃがいもをおいしく茹でる条件にぴったりだったわけですね!

『まれ』第19週 110話 「潮時じゃがいもガレット」 感想

今回は、 ここにも父と息子の確執がありました な 回でしたね。

元治さんの塩田引退の意思は固いようです。

弥太郎さんも、文さんも元治さんの意思の決意を感じて
必要以上のことはいいませんでしたね。

阿吽の呼吸というか、を感じました。

そして、元治さんの引退話を機にまたもや浮上した
徹さんと一徹くんの確執。

一度は歩み寄れそうだった2人ですが
一度は夢を成功させた徹さんへの期待が大きかっただけに
徹の落胆(駄目?)っぷりや立ち直れない姿にも
今回の一徹くんの苛立ちもひときわなのでしょう。

しかも、10万3201!と一徹くんが
畳の目の数を一徹くんが言えてしまうと言うことは
徹さんが畳の目を数えていたのは
一回や二回ではないでしょうね。

本当に心配です。

そういえば、もう一つ気になったことがありまして
あの、みのりちゃんのじゃがいもの食べっぷりなんですが
もしかして、みのりちゃん。。。おめでた???

いや、まだ正式に結婚してないのは知っていますが
なんだかすごく気になりました。

今日の名言は
元治さんの 駄目にしないうちに辞めるのも職人の仕事 です。
正論なのですが、そう言われてみるとなるほどなと感慨深い言葉でした。

このままでは、能登の伝統の塩作りも
元治さんの塩田も無くなってしまいます
この先、一体どうなってしまうのでしょうか?

次回、第111話  続 「潮時じゃがいもガレット」 お楽しみに!!!

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