『あさが来た』2話「あさの味方は祖父の忠政」

あさ(鈴木梨央)は「なんでどす?」が口癖な女の子で、
その口とおてんばが災いし毎日叱られてばかりいたそんなある日。
父・忠興(升毅)は突然あさと姉のはつを連れて、大坂の嫁入り先に
あいさつへ行くと言いだす。

「あさが来た」第1週2話「小さな許嫁(いいなずけ)」あらすじ

あさ(鈴木梨央)は明治となる20年前
江戸時代の終わりごろ
京都随一の商家、
今井家の次女として
生まれました。

あさの口ぐせは「なんでどす?」

あさはなぜ自分達姉妹には
お嫁にいく先が決まっているのかと
姉・はつ(守殿愛生)と自分の境遇を
疑問に思っていました。

あさが生まれた時代
大きな商家の結婚は
当人同士ではなく
家同士で決めるのが
当然のことでした。

あさのおてんばな姿を覗いていた
許嫁、白岡新次郎(玉木宏)。

この新次郎とあさが許嫁?と
お思いになるかもしれませんが
このくらいの年の差は
当時珍しいことではなかったのです。

何で女の子は相撲を
とってはいけないのか?

何で女の子はそろばんや
学問をしてはいけないのか?

それを「なんでどす?」と口にしては
父の忠興(升毅)に抱き抱えれられては
尻を叩かれ叱られてきたあさ。

許嫁・新次郎との初顔合わせの日も
大事なそろばんで遊んでいたことを
白岡親子の目の前で叱られてしまっていた。

改めてあいさつ交わす両家だったが
あさは恥ずかしさのあまり
父・忠興の後ろに隠れたまま。

すると、そんなあさに新次郎は唐突に
「あさちゃん、おいどは(お尻)はご無事だすか?」と
微笑みかけると、
はじめて合う男性に
「おいど(お尻)」と言われてしまい
あさはいたたまれず、
顔合わせの場から飛び出していってしまう。

慌てる忠興と白岡家の主人・正吉(近藤正臣)。

おなごになんてこと言うのかと
とがめる正吉に新次郎は、
先ほどあれだけきつく叩かれていたら
じっと座っているのも、
さぞや痛かろうと思ったと話す。

続けざまの失態に母・梨江(寺島しのぶ)も
あさを連れて戻りますと頭をさげるが、
正吉は、よいよいよ言って梨江を止めると
初顔合わせの日にあのような姿を
許嫁に見られてしまったのだから
まだ11といえども、そこはおなご。

本人も恥ずかしくてたまらないのだろうと
今井家とあさへの気遣いをみせる。

そんな正吉の気遣いに感謝しきりの
今井夫婦なのでした。

一方、
飛び出していってったあさはというと
お尻をさすりながら
ぷりぷり怒って廊下を歩いていると
向こうから姉のはつがやってくる。

はつに許嫁のことを聞かれたあさは
「あんなお人大嫌いや」と言って
顔をしかめるのでした。

これがあさと許嫁の新次郎の
はじめての出会いとなりました。

あいさつをすませ
今井家をあとにする白岡親子。

正吉は噂に違わない
あさのおてんばっぷりに舌を巻いていたが、
当の新次郎は「えぇ、噂以上でしたわ」と
なんとも嬉しそうに笑っている。

そんな新次郎の様子に正吉は
そんなのんきなことを言って
お嫁にもらってから
あのじゃじゃ馬の手綱を
ちゃんととれるのか?と心配するが、
「まぁ、そら無理だすやろな」と
新次郎は笑って歩いていく。

無理。。。
その言葉にあっけにとられる正吉は
我にかえると慌てて新次郎のあとを
追いかけるのだった。

そのころ、今井家ではあさが
商人の娘がそろばんで遊ぶとは
なんたることかと忠興に説教を受けていた。

いつまでたっても
おてんばなあさのことが
気が気でならない忠興は
ちゃん嫁にいけるのかと
気をもんでいた。

ひととおり説教を終えたころ
あさは忠興にそろばんの使い方や
学問を弟・久太郎(二宮輝生)と同じように
教えてほしいと願い出る。

しかし忠興は、
おなごにそろばんも
学問も必要ないと言いきると
あさが自分に隠れて
久太郎の部屋へ忍び込んで
学問の本を見ていること
今までは黙認してきたが
「今日限り、学問の書物は一切禁止」と告げる。

不満を口にするあさに忠興は
おなごに大事なのは礼儀作法や芸事で
減らず口は無用!
そんな偉そうな口をたたくのは
もう少しましな琴(こと)を
弾けるようになってから言えと
大目玉をくらてしまう。

そんなやりとりを
障子の影から見ていた
はつと久太郎。

そこへ、あさの祖父・忠政(林与一)が
お前の説教は相変わらず面白味がないと
大笑いしながら部屋へ入ってくる。

そんあ細かいことまでガミガミ言うから
「今井の若旦那は番頭あがりみたいによく働く」
なんて世間で言われるんだと忠興を茶化す。

忠興の言うことはもっともなことだが
人間ごもっともなことばかりでは駄目だ、
ごもっともの話でもしかめっ面で言われたら
腹立たしくてごもっともなことも
「ごもっとも(はいそうですね)」と
素直に聞く気にならなくなってしまうものだと
忠政が忠興へ小言を終わらせると
親子は久しぶりの再会のあいさつを交す。

。。。で、説教はもう終わりか?と
忠政は嬉しそうに聞くと、
では、あさを借りるぞと忠政は
あさを連れ出してしまう。

庭に出た忠政は、
自分が来たからには
相撲でも木登りでも
なんでも好きにしていいと
言うとあさは大喜びする。

そのかわり「猿よりうまいこと登りや」と
言って笑うのだった。

あさの祖父・忠政は
とうの昔に隠居していて
嵯峨野で趣味の謡(うたい)三昧
の毎日を送っていたが、
時々、家に帰ってきては
こうしてよくあさと遊んでいた。

唯一の理解者は祖父・忠政だけだった。

忠政はあさと木にのぼり、
喜ぶあさの顔を見て
「あさは笑ってる顔がええ」と
嬉しそうに言う。

しかし、あさは少しまじめな顔をして
「笑っていられないこともある」というと
このまま大人になって親の言うままに
大阪へお嫁にいくのは嫌だと言うのだった。

その言葉に忠政も困ってしまう。

なぜなら、時代の流れで今井の家も
資金繰りに大変で苦しくなっている
そのための「お嫁入り」で
「お家のためなんだ」と説明する忠政。

そんな忠政にあさは
「なんでおなごは
お中元やお歳暮のように
もらわれなあかん(ダメ)なの?
やっぱり変やわ」と言うと
自分は姉・はつのように
「そんなもんなんだ」と
うまく納得することができないと
あさは申し訳ないように肩を落とす。

しかし忠政は、
そんなあさを「偉い(賢い)!」というと
人の多くは流されて生きている者ばかりだが
「なんでやと思う気持ちが大切だ」

「なんでや」と思い考える人間が
世の中を変えていく
そういうものだと忠政は言うと、

「誰に口をつままれようと
後ろ指をさされようと
前を向いて進みなさい。」

それが自分の願いだと
あさを励ます。

そのころ、梨江と忠興は
忠政のあさの執心ぶりを話していた。

忠政はその昔(7年前)
あさを男として育て
今井家の家督を継がせてはどうかと
提案したことがあったと言う。

笑うに笑えない話に
顔をしかめる忠興と梨江は
あさも少しでいいから
はつのように女性らしく
なってはくれないかと
気をもむのでした。

あさの父・忠興は
仕事熱心でした。

しかし、このころ
京都一の商人といわれていた
この今井家にも
危機が迫っていました。

明治になる15年前
武士の時代とはいえ
徳川幕府や大名たちは
大変な財政難に陥り
商人から莫大なお金を
借り続けていたのです。

そして、あさが12歳になったある日、
父・忠興が、あさと姉のはつを連れ、
大坂の嫁入り先にあいさつへ行くと言いだす。

さて、あさとはつのはじめての
大阪への旅はどうなるのでしょうか?

「あさが来た」第1週2話「小さな許嫁(いいなずけ)」解説

今回は 「嵯峨野(京都)
江戸末期の京都」について
解説していきたいと思います。

京都嵯峨野(さがの)」とは
京都府京都市右京区のにある、太秦・宇多野や
桂川、小倉山、愛宕山麓に囲まれた付近に広がる
地域の名称で、観光地としても有名です。

あさの時代のころは風光明媚なため、
天皇や大宮人たちの絶好の遊猟、行楽地でした。

「嵯峨野(嵯峨)」は嵐山から小倉山に沿った
社寺の立ち並ぶ地域で、桂川にかかる渡月橋や
京都の美しい自然もさることながら
源氏物語「賢木」の巻の舞台のとなった
野宮神社周辺の竹林も有名ですね。

この野宮神社は源氏物語の舞台となった地で
縁結びのパワースポットでもあります。
学問・恋愛成就・子宝安産等の祭神を祀り
地域住民はもちろん、他府県や海外からも、
多くの参拝者が訪れ篤い信仰を集めています。

こちら神社のお守りは指輪守りになっていて
ペアリングとして分けて持つ人も多いとの事、
とても可愛いんです。

江戸末期の京都」は
この頃の日本は怒涛の転換期の嵐でした。
1853年 黒船来航
1854年 日米和親条約が締結され、「鎖国」体制は終焉。
1855年 日露和親条約が締結、(安政元年に改元)
1856年 徳川慶喜が大政奉還、安政の改革と、勝海舟の活躍。
1867年 不平等条約、金銀等価交換を認めたことから幕末の通貨問題に発展。
1858年 – 1860年 安政の大獄と桜田門外の変
1863年 – 1864年 尊王攘夷
1864年 – 1866年 薩長同盟と幕長戦争
1868年 – 1869年 戊辰戦争
などなど、一部の抜粋ですが
あさたちの生きた時代が
どれだけ波乱に満ちた時代だったかが
想像できるかと思います。

新撰組、維新志士、坂本竜馬、時代に名を残す
武士・偉人・男たちの生きた時代でもあります。

《幕末の通貨問題(ばくまつのつうかもんだい)》とは

日米和親条約締結後に決められた日本貨幣と
海外貨幣の交換比率に関する問題。

日本と諸外国の金銀交換比率が異なったため、
日本から大量の金が流出し日本の財政が困窮した出来事。

【当時の結婚について】→コチラ 第1話「小さな許嫁(いいなずけ)」解説へ

「あさが来た」第1週2話「小さな許嫁(いいなずけ)」感想

今回は、あさの理解者もいた 回でしたね。

まだまだ女性は慎ましくあるべきと
結婚も親が決めるものだったこの時代に
祖父・忠政だけはあさの味方でしたね。

あさが一人ぼっちでなくて安心しました。

そして、あさの秘めた可能性をいち早く
見抜いていたのもこの忠政さんのようです。

優しくて、常識にとらわれず
才を見抜く力もあるのに
あんなにおちゃめさんだなんて
本当にすごいおじいちゃんですね。

今日の名言は
忠政さんの
誰に口をつままれようと
後ろ指をさされようと
前を向いて進みなさい です
この言葉が今後のあさの原動力のような気がしました。

妹のあさに続いて
今度は姉・はつの許婚との初対面です。
初の許婚・惣兵衛とは一体どんな人物なのでしょうか?

次回、『あさが来た』第3話 「小さな許嫁(いいなずけ)」お楽しみに!!!

『あさが来た』もくじ あらすじと解説・感想

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