『あさが来た』8話「新次郎からの恋文(ラブレター)。加野屋お家の危機」

嫁入りをすることにまだ実感がわかずに悩むあさ(波瑠)。
そんなとき、はつの許婚・白蛇の惣兵衛(柄本佑)が今井家を訊ねてくる。
どんな嫌みを言われても、姉のはつ(宮崎あおい)の結婚への決意は固かった。
白蛇と姉との結婚に不満をあらわにするあさのもとに新次郎(玉木宏)から
おもわぬものが届く。

『あさが来た』第2週8話「ふたつの花びら」あらすじ

1865年慶応元年

京都の今井家にあさ(波瑠)の
姉・はつ(宮崎あおい)の許嫁
山王寺屋の惣兵衛(柄本佑)と
母・菊(萬田久子)が
4年ぶりに会いに来ました。

姉・はつのために笑ってほしいと頼むあさに
惣兵衛はお前に指図される筋合いはないと言い
「姉のはつは辛気くさいが
お前(あさ)よりはマシだな」と笑い。

あさに対しても
「お前みたいなでしゃばり男はみんな嫌いじゃ。
飯でも炊いとれ」と言うと
新次郎も気の毒だなと嘲笑って去っていく。

その様子を見た女中のうめ(友近)は
あさの尋常でない表情に慌てて
なにかあったのかと駆け寄る。

うめに声をかけられたあさは
握りしめたこぶしを振り払うと
「あんな白蛇はん、
投げ飛ばしてしもたらよかった!」と
じだんだを踏んで悔しがるのでした。

忠興(升毅)と梨江(寺島しのぶ)は
山王寺屋の親子を見送りに店先へ出ると、
番頭が今届いた文(手紙)を忠興に手渡す。

部屋へ戻ってきた梨江は
はじめて会った山王寺屋の女将・菊に
「ちょっと癖のあるお姑さんですなぁ」と
少し不安そうな顔をすると、
はつに大丈夫かと声をかける。

はつはにっこり笑って答えるが、
そこへ、あさがドタドタと駆け込んでくると
「ほんまにお姉ちゃんは
あんな人のお嫁さんにならはるんどすか!?」と
父の忠興と母の梨江に抗議にやってくる。

しかし、はつの結婚への決意は固く
そんなあさを「やめなさい」と制止する。

番頭から受け取った文を読んでいた忠興は、
あさの嫁ぎ先である加野屋から急きょ
新次郎(玉木宏)が訪問できなくなったとあさに伝えると
家の事情でしばらく京都へ来られないらいしと話す。

「なんや。。。来へんのか」と
あさがあからさまな膨れっ面をするので、
そんなあさを見たはつはおかしそうに笑う。

本当にあさは新次郎と会うのが楽しみで
昨日の夜も楽しみで寝付けないあさが
夜中逆立ちしていたと両親と女中たちの前で
バラされてしまったあさは恥ずかしくなってしまう。

すると忠興は封筒の中に
もうひとつ文が入っていることに気づき
「これはあさにや」と言ってあさに文を手渡す。

それは新次郎からの恋文(ラブレター)でした。

手渡された文を手にあさは
「びっっくりぽんや」と笑うと
ニコニコとご機嫌なあさ。

そんなあさの手元にある新次郎からの文が
気になって仕方ない面々はあさを覗き込むが、
その好奇の視線に気づいたあさは、
文を胸に抱くと慌てたように走り去っていく。

その姿を微笑ましそうに笑う梨江と忠興。

自分の部屋に戻ったあさは、
初めての恋文に戸惑っている様子で
姉・はつに一緒に文を読んで欲しいとせがむ。

まるで光源氏が書いたような美しい字で
書かれた新次郎の文をひらくと、
中にはさらに美しい文字が並んでいる。

「ご機嫌よく、
お過ごし遊ばせ候(そうろう)や
文まいらせ左右(そう)伺いたく候。
手前ごとも、無事暮らしおり申し候あいだ
ご安心下されたく候。
おあさ様。新次郎。」
【*文の現代文訳は解説にて】

あさには書かれた意図が
さっぱりわからなかったが、
一緒に読んでいたはつは、
素敵な恋文だと心踊らせている。

しかしそのころ、
大坂の新次郎は文の内容とは裏腹に
大変な事態のまっただなかにいた。

新次郎の兄・正太郎(木内義一)が
肺の病で床に伏し病床が良くならないことに
絶望した母・よの(風吹ジュン)がすすり泣くのを
加野屋の主人・正吉(近藤正臣)は励まし
胸に抱き寄せる。

正太郎の病が治らないかもしれないと
店中も大騒ぎになっていた。

大番頭の雁助(山内圭哉)と
中番頭の亀助(三宅弘城)は
正太郎の容態について話していたが
正太郎の回復は厳しいものだった。

「加野屋の跡継ぎ」

その問題が加野屋にふってわいて出たのである。

中番頭の亀助は、順当に新次郎が跡目につくと言うが
大番頭の雁助は、新次郎は楽しい人ではあるが、
あんなのんきな人が継いだら、店がつぶれてしまうと言い
神棚に向かって賢明に正太郎の回復を願うのだった。

大番頭の雁助と中番頭の亀助は
加野屋という両替屋(今でいう銀行)を
丁稚(でっち)のころから働いている2人は
今では加野屋の実務を一手に引き受ける
やり手の番頭たちです。

そんなお家の一大事のなか
新次郎はどこかへと出かけていってしまう。

新次郎を引き止める亀助でしたが、
兄貴のような良い人が
早くなくなってしまうような世なら
自分のような人間は
とっくに極楽へ召されてなければ
いけないはずなんだといって
加野屋を後にする。

そのころ今井家では
新次郎からの恋文が女中たちの中でも噂になり
祖父・忠政(林与一)の耳にも入っていた。

忠政が縁側に座るあさのもとへ歩み寄ると
あさは新次郎への返事をどう書いていいのか
太いミミズのような自分の字では恥ずかしいし
新次郎に嫌われてしまったらどうしようと
とひとり頭を抱えていた。

そんなあさへ忠政は、
「文というものは心を伝えるもんや
どんなに下手でも一生懸命書いたらええねん」
自分も若い頃はずいぶん恋文を
たくさん書いたものだと笑って話をする。

その夜、
文の相談をしようとあさははつを探すが
はつの姿が見当たらない。

ふと、廊下を見るとそこには
静かにたたずみ泣いているはつの姿があった。

驚いたあさは昼間のことを思い出し
「白蛇はんのところへ
お嫁に行くのが嫌なんやろ?」と聞くが
はつはそういうことではないと言い
理由はわからないが時々涙が出るのだと
あさに打ち明ける。

しかしはつは、
それでもあさと一緒にいると
自然と笑顔になれると話すので
あさははつが笑ってくれるならと
顔をくしゃくしゃにしてはつを笑わせる。

はつはひと通り笑いあさに
「あさはよかったね」と言うと
自分も新次郎がお相手だったら
よかったのにと言っては寂しそうに笑う。

忠政と囲碁を指すあさは母・梨江から聞いた
「はつにはないしょの話」を思い出しながら
少し考えたあと。
祖父・忠政に文の書き方を教えてほしいと言い出すのでした。

『あさが来た』第2週8話「ふたつの花びら」解説

今回は「新次郎の手紙の内容」「正太郎の肺の病気」について解説していきたいと思います。

新次郎の手紙の内容
「ご機嫌はいかがですか?
お知らせしたいことがあって
手紙を書かせていただきました。
自分はかわりなく
元気に暮らしていますので
ご安心ください。
あさ様へ。新次郎。」

現代に訳するとこうなります。

急遽京都へいけなくなったことと
しばらく会えなくなってしまったことについて
「自分は元気にしている」
「心配しなくても大丈夫だから」と
あさを安心させるために書いた手紙のようです。

年下の女の子である、
あさに対して「候」と丁寧な
今で言う「敬語」を使って文を出し
あさを思いやる新次郎の優しさが
とても伝わってくる内容でした。

正太郎の肺の病気
幕末時代に流行った気管支系の病気として
「結核(けっかく)」ではないかと推測されます。

江戸幕末頃までは、
「結核」のことを「労咳(ろうがい)」と言い
当時は原因もわからず、治療法も特効薬もないことから
人々からたいへん恐れられていました。

特に幕末動乱期や明治維新のころになると
肺結核が流行し多くの若者がこの病によって
命を奪われてしまいます。

幕末志士高杉晋作、や新撰組沖田総司も
この「肺結核」により若くしてその生涯を
閉じたとされています。

【丁稚・番頭ついて】→コチラ 第6話 「小さな許嫁(いいなずけ)」解説へ
【許婚交換ついて】→コチラ 第6話 「小さな許嫁(いいなずけ)」へ

『あさが来た』第2週8話「ふたつの花びら」感想

今回は、白蛇はん投げ飛ばしたい!な 回でしたね。

白蛇はん
ものすごかったですね
「飯でも炊いてろ」とは
だれでも怒ります(笑)

てっきりあさに殴られるのでは?と
一瞬心配してしまいましたが
あさも大人になりましたね。

我慢しました。

それでもやっぱり
去り際の白蛇はん(惣兵衛)の
はつを見るあの表情。

なんだかんだ言っても
はつのことが気になっているように
思えてなりません

それにしても、
あさとはつの境遇が
あまりにも対極的なので
この先どうなっていくのか
波乱を感じさせられますね。

今日の名言は
忠政さんの
文というものは心を伝えるもんや
どんなに下手でも一生懸命書いたらええねん」です
一生懸命書いたという相手を思う気持ちが大切ですね。

新次郎の「自分のような人間は
とっくに極楽へ召されてなければ
いけない」とは一体どいう意味なのか?
正太郎の容態は?
加野屋の跡継ぎどうなってしまうのか!!??

次回、『あさが来た』第9話「ふたつの花びら」お楽しみに!!!

『あさが来た』もくじ あらすじと解説・感想

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