『あさが来た』24話「奈良の豪商・玉利との出会い。はつに明かされた許婚の真実」

あさ(波瑠)は奈良の豪商、玉利(笑福亭鶴瓶)にお金の用立てを申込みに
奈良へ向ったあさだったが、玉利家の女中は今日は会えない言いあさたちに
後日出直すようにと伝える。
はつ(宮崎あおい)と惣兵衛(柄本佑)は京都の実家・今井家にお金の用立てを
頼みに行くが。。。

『あさが来た』第4週24話「若奥さんの底力」あらすじ

あさ(波瑠)が奈良の豪商・玉利家へ向かうと
門前で女中に日を改めるようにと断られてしまうが
大坂から奈良までそう何度も来れるもんではないと
あさは女中に苦言する。

そのころ、ひとり奈良へ出かけたあさを
やはり自分が行くべきだったかと
店の前でひとり押し問答する新次郎(玉木宏)は

「ごめんください。
あささんはご在宅ですか?」

と、男の声に話しかけられる。

あさと入れ違いに加野屋を訪ねてきたのは、
新政府の参与で大坂府の権判事(ごんのはんじ)として
赴任してきた五代才助(ディーン・フジオカ)だった。

才助はこの夏、大坂の港が開港するにあたり
準備のためにこの町に住むことになったので
あさにあいさつへ来たのだと才助は話す。

新次郎はなぜ新政府の参与が妻・あさのことを
知っているのかと不思議に思い訊ねると
才助はあさとの出会いを思い返し
「運命としか言いようがありませんな!ハハハ」と
屈託(くったく)のない笑顔を見せるのでした。

あさとの出会いを「運命」と話した才助に対し
新次郎は興味をそそられ才助と膳(会食)を囲もうと
女中たちへ食事の用意をするよう声をかける。

膳を囲んで和気あいあいと会話をはずませる
新次郎と才助。

その様子を見ていた女中たちは才助の容姿と
海外渡航歴や語学が堪能だといううわさ話で
盛り上がっていると、それを聞きつけた
女将のよの(風吹ジュン)は「それは困るがな。」
新次郎の魅力がかすんでしまうと言って
心配そうにその様子を伺っていたのでした。

そのころあさはと言うと。。。

どうしても引き下がれないと
玉利家の女中に無理を言い
女中に連れられて来たのは
「馬小屋」

今日は玉利家で奥様方の宴が催されるとのことで
客間の空きがないというのだった。

その馬小屋では、
今日の宴の席で芸を披露する芸人たちが
汚ならしいゴザ上にすし詰めになって座っていた。

玉利家のあまりのひどい待遇に、
あさ同行していた中番頭の亀助(三宅弘城)も
「加子部屋のほうがまだマシだしたなぁ」と悲鳴をあげる。

さすがのあさも馬小屋には驚いてしまい
亀助とともにその場をあとにしようとするが
そんなあさの目に一匹のサルが目にはいると
またたく間にあさはサルのもとに駆け寄ると

「うち ホンマもん(本物)のおサルさん
はじめて見たわ」(あさ)

と、好奇心旺盛な表情で近寄ると
手土産に持参した菓子「きんつば」を
手にとってサルや芸人たちにふるまい
サルに会えたことで気をよくしたあさは
馬小屋の掃除まではじめてしまうのでした。

ときは同じころ、
才助と膳を囲んで意気投合した新次郎は
店先まで才助を見送りに出てきていた。

今日は本当に楽しかったと礼をいう才助でしたが
ふと、なぜ金の用立てに行くのが旦那の新次郎ではなく
妻のあさなのかという疑問を新次郎へ投げかけると
新次郎は「そうだすなぁ。。。」と
自分でも不思議そうな顔をして考えてはみたが
「まぁ、わてはお店に座って笑てんのが仕事だすさかい」と
とびきりの笑顔を才助に見せる。

「そうですかぁ。。。」と才助は
なんだか残念そうな表情を浮かべると
両替屋も大変なときだが
「どうか達者で生きたもんせ!」と言い
才助は手を差しのべ新次郎へ握手を求めるが
新次郎はその手に行灯(あんどん)を差し出す。

一瞬戸惑ったような表情の才助でしたが、
すぐに納得したように新次郎から行灯を預かると
「それでは。」と言って加野屋をあとにする。

その姿を見送りながら新次郎は「ほほ~ん」と
目を光らせると以前あさが発した薩摩言葉
「達者で生きたもんせ」の出先が
才助であることを確信したようで
「あんたさんでございましたか」と
ひとり納得していたのでした。

一方、はつ(宮崎あおい)と惣兵衛(柄本佑)は
京都にたどり着き、はつの実家に前に立っていた。

「情けないわ」(惣兵衛)

今井家の前で深いため息をつき
「こないなことで里に帰らせることになるとは」
と、落ち込んだようにいう惣兵衛にはつは
自分がひとりで金の用立てを頼みに行くので
外で待っていてほしいと言うと
はつは毅然と家へ向かおうとするが、
惣兵衛はそんなはつの肩を引き留めると
「そないな訳には いかへん」と
穏やかな声ではつへ言うのでした。

今井家に迎えられたはつと惣兵衛は
必死に頭をさげ金の用立てを
はつの父・忠興(升毅)へ頼み込む。

必死に頭をさげる惣兵衛に

「貸したとして、
返していくメドはたっているんか?」(忠興)

忠興はそう惣兵衛へ訊ねるが
言葉もなく黙りこむ惣兵衛に
大きなため息をついた忠興は
商売と言うのは先を見る目と
その道を貫く覚悟がなくてはいけない。

「金はかせん。」(忠興)

それが忠興の決断だった。

そんな忠興の言葉に動揺したのは
はつの母・梨江(寺島しのぶ)の方でした。

娘がこんなに困っているのがわかっているのに
どうしてお金を貸してやることができないのかと
忠興に嘆願する梨江の姿にはつは

「お母はん これでええんどす」(はつ)

はつはそう言うと、
惣兵衛も自分も喉から手が出るほど
お金が欲しいはずなのに
本当は心のどこかで
この申し出を断ってほしいと
願っていたと梨江話す。

「それが旦那さまとうちの
せめてもの誇りだす」(はつ)

と、はつは強い眼差しで言うのでした。

そのころ奈良では
玉利家の主人・玉利友信(笑福亭鶴瓶)が
女中へあさの様子を訪ねていた。

あさが一晩のうちに馬小屋をきれいに掃除し
猿回しの芸人たちまでもが大変世話になったと
礼まで口にしたという話を聞いた玉利は
興味を持ちあさに会うことを承諾する。

玉利はあさに労いの言葉をかけ
最近金を用立ててほしいという輩に
うんざりしていることを口にする。

そして玉利はサルにまで
世話を焼く人間がいるとは驚いた、
自分の根負けだ、まいったと告げると
あさはとんでもないと謙遜し
会っていただけでだけでも
ありがたいと言って頭をさげる。

しかし、
そんなあさに対して玉利は
先んじてこう言い放った。

商売に人情は禁物、
自分は商いでは
危ない橋を渡るつもりはない。

そして
「ひん死の両替商に金貸して
返済できんのかいな?」と
あさに訊ねる。

今にこの世の中は新しい朝が来る。

世の中が変われば
時代にあった新しい商いも出てくる
そうなれば加野屋は両替屋だけでなく
新しい商いで儲けていきたいと考えていると
あさは玉利に答えます。

新しい商いとは何かと玉利は気になるが
そんな玉利に対してあさはニヤリと笑うと
それは言うわけにはいかないと断るあさ。

玉利は金は貸せといっておいて
その先は言えないと言うあさに納得ができず
どういうことかとあさに詰め寄る。

するとあさは。。。

「商人はお互いにしのぎを削って生きてます。
加野屋が何をするかは秘密だす。
玉利さんかて 商いの手の内は
人には見せとうはござりまへんやろ?」(あさ)

そのあさの言葉を聞いた玉利は
じぃっとあさの目を見つめると

「目泳がへんな」(玉利)

そういってフンと鼻で笑うと
あさはいい度胸をしている
その意気込みだったら
きっともの凄いことを
やってのけるにちがいない。

「よっしゃ、金貸そう」(玉利)

玉利の言葉に大喜びするあさは
なんども「おおきに」と頭をさげるが
そんなあさに玉利は愉快そうに
「もうじき日本一の女商人になるで」
そういうと、そうなったらこの玉利に
借りたこの恩を忘れてくれるなと
あさに告げる。

「へぇ 忘れまへん。
昔 お金を貸しした恩を忘れになってたことも
馬小屋で待たされたことも
このご恩も 加野屋のあさ
決して一生忘れまへん!」(あさ)

そんなあさの言葉に玉利は
「ハッハッまた一本とられたわ」と言って
それは愉快そうに玉利は大笑いする。

こうしてあさはなんと無利息で
玉利氏からお金を借りることに成功するのでした。

帰りの道中、
安堵した亀助があさに「新しい商い」とは
一体何をするつもりなのかを訊ねると
「まだ何も考えておりまへん」と
あさは笑って答える。

あの場では夢中で考えも無しに
勝手に口からついて出ていたのだと
無邪気に笑うあさに亀吉は開いた口が
塞がらないのでした。

そんな帰り道、
あさは偶然にはつと遭遇する。

あさは惣兵衛と一緒に歩く
はつの姿を見てホッとするが
はつはあさの姿を見るやいなや
「お互いに精一杯お家を守ろう」と
はつは自分の置かれた状況は
何一つ言葉にしないまま
その場を去っていく。

そんなはつの後ろ姿に
一抹の不安を感じるあさです。

あさたちと別れたあと
歩きながら惣兵衛ははつに
加野屋へ嫁いでいれば
こんな目にあうことはなかったと
山王寺屋を恨んでいるだろうと言うと
本当ははつが加野屋へ嫁ぐはすだったと
惣兵衛から聞かされはつは驚く。

『あさが来た』第4週24話「若奥さんの底力」解説

今回は「新次郎が握手しなかった理由」「玉利に持参したお菓子
大坂府の権判事(ごんのはんじ)」について解説していきたいと思います。

新次郎が握手しなかった理由
才助の握手の求めに
新次郎が応じなかったわけは
握手という習慣が当時の日本には
まだなかったのが原因です。

握手と言う文化は西洋から
もたらされたもので、
古来から日本でのあいさつは
お辞儀行が一般的でした。

握手が浸透しはじめたのは
明治に入ってから。

つまり、明治維新によって西洋文化が
入ってきてからと言うことなので、
決して新次郎が才助を特別嫌っていた
というわけではありません。

手土産に持参したお菓子
あさが奈良の豪商・玉利への手土産に
持っていったお菓子は「きんつば」。

「きんつば」とは、
粒餡を寒天で四角く固めたものに、
小麦粉を水で溶いた生地を表面に
薄くつけ包み焼いた和菓子で、
劇中に登場した角型の「角きんつば」は
明治時代に考案されたものです。

つまり、あさたちはその当時の最先端の菓子を
玉利氏への手土産に持っていったということになります。

それだけ、玉利氏への敬意を表した手土産だったのですが
あさはおサルさんにあげてしまいました(笑)

大坂府の権判事(ごんのはんじ)」とは
*明治元年大坂裁判所が大阪府と名称変更
明治元年に大坂裁判所が大阪府と
名称変更されました。

その際に仮に置かれた裁判官のことを
権判事(ごんはんじ)といいます。

権判事の「権」には「仮の」と言う意味があり
権判事とは「仮に置かれた判事」と言う意味です。

【加子部屋について】→コチラ 第21話 「若奥さんの底力」解説へ
【明治元年の出来事一覧】→コチラ 第23話 「若奥さんの底力」解説へ
【五代才助と大坂について】→コチラ 第4話 「小さな許嫁(いいなずけ)」解説へ
【あさとはつ許婚交換エピソード】→コチラ 第6話 「小さな許嫁(いいなずけ)」へ

『あさが来た』第4週24話「若奥さんの底力」感想

今回は、いろんな想いが交差する?な 回でしたね。

新次郎さんと才助さん
一触即発かと思いきや
新次郎さんなんだかちょっと
楽しんでいませんでしたか?

才助さんも旦那さまの前で「運命」とか
一体どういうつもりで言ったのでしょうね。。。

あのふたり、すごく気になりますね(笑)

そして衝撃だったのが
あの秘密を白蛇・惣兵衛さんが
言ってしまったことですよ!

その前に、白蛇・惣兵衛さんが
許婚交換のことを知ってたことも驚きでした!!
え、じゃあ姑・菊さんも。。。

それを知っててのあの仕打ちですか!!?

今日の名言は
はつさんの
それが旦那さまとうちのせめてもの誇りだす」です。
これまでよほど悔しかったでしょうね。。。
気持ちを思うと本当につらくなります。

奈良の豪商・玉利家からの借入れに成功した
あさのいる加野屋は危機を脱したようですが
一方、京都の実家・今井家に借入れを断られた
はつのいる山王寺屋は一体どうなってしまうのか!!?
次回、『あさが来た』第25話「お姉ちゃんに笑顔を」お楽しみに!!!

『あさが来た』もくじ あらすじと解説・感想

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